2012年05月07日-3
2011年の役員報酬開示1億円以上は226社・367人

 東京商工リサーチがこのほど発表した「上場企業役員報酬1億円開示企業調査」によると、上場企業3618社の2011年決算(1月期~12月期)有価証券報告書に開示された役員報酬1億円以上は、226社・367人だったことが明らかになった。比較可能な3月期~12月期では、2010年に比べ4社、8人増加した。報酬最高額は、日産自動車の「カルロス ゴーン氏」の9億8200万円(報酬支払元:提出企業のみ)だった。

 367人の役員報酬総額は合計609億4300万円で、主な内訳は、「基本報酬」が378億4900万年(構成比62.1%)と業績に連動しない報酬が6割を占め、その他、「賞与」が83億2800万円(同13.6%)、「退職慰労金(引当金繰入額含む)」が75億5200万円(同12.3%)、「ストックオプション」44億7100万円(同7.3%)、「業績連動報酬・中期インセンティブほか」27億4300万円(同4.5%)となった。

 2011年決算で役員報酬を開示した226社のうち、役員報酬1億円以上の開示人数は、最多が「大塚ホールディングス」の8人、次いで「日産自動車」の7人、「キャノン」、「ソニー」、「ファナック」、「トヨタ自動車」の各6人、「三菱商事」、「野村ホールディングス」、「三井物産」、「ソフトバンク」、「日本板硝子」の各5人。人数別では、1人が144社(構成比63.7%)と最多、2人が57社(同25.2%)、3人が11社(同4.8%)と続いた。

 最終赤字企業で1億円以上の役員報酬の開示があった企業は、「日産自動車」、「ソニー」、「ソフトバンク」、「野村ホールディングス」、「パナソニック」、「GCAサヴァイアングループ」、「藤商事」など20社だった。226社を産業別でみると、「製造業」が110社(構成比48.6%)・191人(同52.0%)、「サービス業他」が53社(同23.4%)・89人(同24.2%)、「卸売業」が21社(同9.2%)・35人(同9.5%)と続く。

 2人以上の個別開示を行った82社のうち、製造業が49社と約6割を占め、突出ぶりが目立つ。農・林・漁・鉱業では、役員報酬の個別開示はなかった。2011年は3月の東日本大震災や電力不足、タイ洪水、歴史的な円高と厳しい経済環境にあったが、大手企業は海外での市場拡大やコスト削減などに取り組んだほか、業績連動報酬よりも業績に左右されない役員報酬を取り入れている企業も多く、役員報酬は前年並みに落ち着いた。

 同調査結果は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2012/1218727_2004.html

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