2012年05月02日-3
中小企業の持つ潜在力発揮を~12年版中小企業白書

 「2012年版中小企業白書」が4月27日、閣議決定された。白書は3部構成で、第1部は「2011年度の中小企業の動向」、第2部は「潜在力の発揮と中小企業の役割」、第3部は「中小企業の技術・経営を支える取組」となっている。第1部では、中小企業の景況は、これまでの円高、原燃料の価格高騰、電気料金の引上げ、電力需給の逼迫等の影響が懸念され、このところ横ばいの動きとなっていると分析している。

 第2部「潜在力の発揮と中小企業の役割」では、中小企業が持つ潜在力とは、変化する社会環境において、何らかの障害があって利用されていない経営資源である。特に、柔軟な対応力、技術力、商品開発力、マーケティング力等が挙げられる。こうした潜在力を用いて、(1)大震災からの復興に中心的な役割を果たしている中小企業、(2)国内外の成長機会を取り込み、事業活動を行う中小企業について分析している。

 さらに、第3部「中小企業の技術・経営を支える取組」では、中小企業が、経営資源の充実にどのように取り組んでいく必要があるかについて、技術力及び経営力の維持・強化の観点から分析。ものづくり人材の育成は喫緊の課題で、若手の技術・技能人材の確保・育成を始めとする取組みにより、今まで培ってきた技術・技能を円滑に承継するなど、企業の創意工夫を活かしつつ総合的な対策を実施していくことが重要と指摘した。

 また、中小企業の経営を支える取組みとして、中小企業の経営課題は、多様化・複雑化しており、様々な外部の専門家等を活用しながら経営力を強化することが重要である。特に、身近に接する金融機関が中小企業の経営課題に対応することは、中小企業とそれを支援する金融機関がともに再生し、地域の活力を回復することにつながる。政府としても、経営支援の担い手の多様化、支援能力の向上を図っていくとしている。

 2012年版中小企業白書は↓
 http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H24/PDF/h24_pdf_mokuji.html

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