2012年04月26日-3
民事再生断念企業、2011年度は14.8%増

 民事再生法は2000年4月の施行から12年が経過。この間の申請件数は9000件に迫るが、全ての企業が文字通り“再生”したわけではない。安愚楽牧場(2011年8月民事再生→12月破産)のケースのように、再生手続き中に廃止決定に追い込まれる企業も後を絶たない。帝国データバンクの調査によると、民事再生法の申請件数(負債1000万円以上)は、2000年4月~2012年3月までの累計で8732件に達した。

 年度ベースでみると、戦後2番目の倒産ラッシュとなった2001年度の1019件をピークに減少し、2002年度以降、5年連続して前年度を下回っていた。2007、2008年度は全体の倒産件数増加とともに民事再生法の申請も増加に転じていたが、2009、2010年度は大型倒産の沈静化などで大幅に減少していた。2011年度は、497件、前年度比3.5%の増加で、2年連続で500件を下回ったものの、3年ぶりの増加となった。

 過去12年間の再生手続きの経過状況をみると、民事再生法申請8732件のうち、67.4%に当たる5889件が再生計画の認可決定まで進み、同じく46.6%の4071件が終結決定を受けた。一方で、認可前に取下げ・棄却・廃止となった企業が1259件あるほか、認可決定は受けたが終結前に手続き廃止となった企業も678件あった。少なくともこれらの1937件(22.2%)は、再建途上で事業継続を断念し、大半がすでに破産手続きに移行している。

 民事再生手続きの廃止件数をみると、2011年度は101件判明した。前年度の88件から14.8%(13件)増加しており、東日本大震災の影響もあって再建を断念するケースが目立つという。手続き廃止となった企業すべてが震災の影響によるものではないが、震災発生で再建計画が大幅に狂い、再建断念に追い込まれる企業もあり、今後のさらなる増加が懸念されている。

 同調査結果は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p120404.pdf

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