2012年04月23日-4
「被用者年金一元化法案」を閣議決定

 政府は13日、公務員らの共済年金と会社員の厚生年金を統合するための「被用者年金一元化法案」を閣議決定し、国会に提出した。同法案は、社会保障・税一体改革の関連法案となるもので、公務員や私立学校教職員が加入する共済年金を廃止し、公務員等の保険料率や給付内容を民間サラリーマンと同一化するものだ。厚生年金への統合時期は消費税率を10%に引き上げる2015年10月を予定している。

 主な柱は、(1)厚生年金に公務員や私学教職員も加入することとし、2階部分の年金は厚生年金に統一する、(2)共済年金と厚生年金の制度的な差異は、基本的に厚生年金に揃えて解消する、(3)共済年金の1・2階部分の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率(上限18.3%)に統一する、(4)共済年金にある公的年金としての3階部分(職域部分)は廃止し、廃止後の新たな年金については、別に法律で定める、などだ。

 厚生年金及び共済年金の保険料については、現在も毎年0.345%ずつ引き上げられているが、この引上げスケジュールを法律に位置づけ、公務員は2018年、私学教職員は平2019年に18.3%(労使折半)とし、厚生年金と統一する。また、旧恩給部分として共済に投入している追加費用削減のため、恩給期間に係る給付について本人負担の差に着目して、負担に見合った水準まで一律に27%減額する。

 同一元化法案は、公務員のほうが民間より給付は厚く、保険料率は低い「官民格差」の是正を目指すもので、民間が抱く不公平感の解消につながるかどうかは不透明だ。また、自公政権が2007年にまとめた法案をベースにしているが、同法案は2009年に廃案となっており、野党時代に同法案に反対してきた民主党に対し、自公両党が法案成立に協力するかどうかは極めて難しい情勢にある。

 法律案の概要は↓
 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/180-54.pdf

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