2012年04月19日-3
小売業の売上DIは、マイナス幅が縮小

 日本政策金融公庫はこのほど、全国小企業月次動向調査(2012年3月実績、4月見通し)をまとめた。調査対象は、同社取引先の1500企業。75.4%の1131企業から回答があった。3月の売上DI(全業種計、季節調整値)は、2月の▲18.0からマイナス幅が縮小し、▲12.2となった。4月は▲13.7と、マイナス幅が拡大する見通し。業種別では、製造業(3月▲15.7)はマイナス幅が拡大したが、非製造業(同▲11.9)は縮小した。

 3月の採算DIは、前月からマイナス幅が縮小し、▲5.6となった。前年同月実績と比べて、14.1ポイント上回っている。4月の採算DIは、▲8.5とマイナス幅が拡大する見通し。採算DIについては、2011年4月に▲22.8を記録、その後4月以降3ヵ月連続で回復したものの、8月▲15.9、9月▲16.0と2ヵ月連続でマイナス幅が拡大。2012年に入り、2月、3月でマイナス幅が縮小していたが、順調には回復しなかった。

 東日本大震災の影響について、「現時影響が出ている」と回答した企業割合は20.7%となっており、引き続き低下した。業種別にみると、卸売業及び運輸業を除く全ての業種で「現在影響が出ている」割合が低下した。「現在影響が出ている」と回答した企業のうち83.1%は、「マイナスの影響のみ」となっている。業種別にみると、製造業及び建設業で、プラスの影響を挙げる割合が高くなっている。

 東日本大震災で、「プラスの影響」を挙げているのが建設業で、3月実績で29.2%が、4月は44.4%と半数近くが「プラスの影響」を受けている。復興需要が軌道に乗ってきたといえそうだ。製造業も、3月17.6%、4月16.3%の「プラスの影響」が生じている。卸売業は3月2.6%、4月6.8%。小売業は3月8.2%、4月4.3%。全体では、3月11.4%、4月11.0%となっている。

 同調査結果は↓
 http://www.jfc.go.jp/common/pdf/getsuji_201204.pdf

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