2012年04月12日-4
11年度企業倒産1万1435件、3年連続前年度比減

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2011年度(11年4月~12年3月)の倒産件数は1万1435件と、前年度の1万1496件を0.5%下回り、3年連続の前年度比減少となった。四半期別では、第2、第3四半期の減少傾向から第4四半期で増加に転じた。月別では増減を繰り返しながら、ほぼ横ばい状態の推移となった。

 一方、負債総額は3兆9165億1800万円となり、前年度比14.1%減少した。3年連続で前年度を下回り、過去10年で最小を記録した。四半期別では、2010年度第3四半期以降5期連続の前年同月比減少となったが、2011年度第4四半期では増加に転じた。負債額トップは、エルピーダメモリ(株)(2月、東京都)の4480億3300万円。負債100億円以上の大型倒産は30件(前年度35件)に減少し、過去10年で最少だった。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年度を下回り、減少率では、製造業(▲9.5%)、運輸・通信業(▲8.4%)、不動産業(▲4.6%)と続いた。一方、小売業(4.7%増)とサービス業(6.8%増)の内需型業種では前年度を上回った。小売業では、外食(732件)が小規模企業を中心に増加し、過去10年間で最多。サービス業では、震災の影響を受けホテル・旅館(129件)が前年度比22.9%増の大幅増加となった。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の零細企業の倒産は5923件と、前年度の5726件を3.4%上回り、過去10年間で最多。一方、負債100億円以上の大型倒産は30件と、3年連続で前年度を下回り、過去10年間で最少となるなど、倒産の小型化が続いた。また、2010年6月の改正貸金業法完全施行後、零細企業の資金調達環境が悪化したこともあり、負債5000万円未満の倒産は個人経営を中心として増加基調をたどっている。

 なお、2011年度の上場企業倒産は、東証1部上場のエルピーダメモリ(株)(会社更生法、2月)など4件にとどまり、5年ぶりに5件を下回る低水準となった。また、円高の影響を受けた倒産は98件判明し、2010年度の64件に比べ53.1%の大幅増加となった。昨年夏からの歴史的な円高水準は一服したものの高水準で推移しており、引き続き中小零細企業を中心に円高関連倒産が懸念されている。

 同倒産状況の概況は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/11nendo.html

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