2012年04月09日-1
今夏ボーナスは2年連続減少、最低水準更新の見込み

 2011年冬のボーナスの1人当たり平均支給額は37万2471円、前年比▲1.9%と3年連続で減少したが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングはこのほど、2012年夏の民間企業(パートを含む)のボーナス1人当たり平均支給額は36万1000円、前年比▲0.9%と、2年連続で減少し、減少幅は昨年夏のボーナス(▲0.8%)と比べ拡大する見込みと発表した。夏のボーナスとしては、比較可能な1990年以降で最低水準を更新すると予測した。

 ボーナス算定のベースとなる所定内給与は、足元ではようやく下げ止まってきたが、水準としては依然として低く、さらにボーナスに反映される2011年下期の企業収益は、震災後の落込みからは持ち直したが、円高の進行やタイ洪水の影響で、製造業を中心に厳しい状況が続く。景気の先行きに対する警戒感は根強く、企業は人件費抑制姿勢を崩さないとみられ、支給月数は1.47ヵ月(前年比▲0.02ヵ月)と減少すると見込んでいる。

 産業別では、製造業は47万9300円(前年比▲0.7%)、非製造業は33万3000円(同▲0.9%)とともに前年を下回ると予測。製造業では2年ぶりの減少となる一方、非製造業では前年と比べると減少幅は縮小することになる。日銀短観(3月調査)によると、大企業、中小企業とも、製造業では、海外景気の減速が続き輸出の持ち直しが遅れていることなどから景況感に改善がみられない。

 一方、非製造業では、復興関連を中心に内需が底堅く推移していることを背景に景況感の改善が続いている。非製造業では、リーマン・ショック後のボーナスの落込みが緩やかだった一方で、製造業と比べて回復が遅れていた。しかし、大企業と比べて中小企業では収益環境の厳しさが続いており、中小企業が全体に占める割合が大きい非製造業のボーナスは低迷したままとなる、と分析している。

 なお、支給労働者割合(常用労働者総数に対する賞与を支給した事業所の全常用労働者数の割合)は80.5%と前年と同水準にとどまるとみられるものの、雇用環境の回復を背景に労働者数は増加が見込まれ、支給労働者数は3679万人、前年比0.3%増加すると見込んでいる。しかし、1人当たり平均支給額の減少幅が大きいため、2012年夏のボーナス支給総額は13.3兆円、同▲0.6%と減少するとみられている。

 この件は↓
 http://www.murc.jp/report_pdf/20120405_122702_0083116.pdf

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