2012年04月04日-3
小規模企業、2ヵ月連続業況好調も先行きに不安

 全国商工会連合会が行った2月期の小規模企業景気動向調査(経営指導員300人を調査)では、産業全体の業況DI(景気動向指数・前年同月比)は前月から2.3ポイント上昇の▲34.9と2ヵ月連続の改善となった。特に、建設業は10.6ポイント増の▲26.1と2桁の伸び。一方で、小売業やサービス業は前月とほぼ同水準だった。厳しい寒さやガソリン価格の上昇により、来店頻度が下がり、売上も伸び悩み、苦しい状況が続いている。

 製造業DIは、▲28.7と前月と比べ1.9ポイント増と2ヵ月連続で改善。輸送用機械器具を製造している会社では自動車の生産が好調なため、合わせて自動車部品や付属品の注文が多く入り、予想を超える売上げが得られたところや、3月・4月の季節需要に合わせて衣料品や靴の製造業で先行受注が増えたとの声が聞かれた。しかし、食品製造業では寒さによる野菜等の収穫量の低下が原材料価格の高騰の要因となっている。

 建設業DIは、前月から10.6ポイント改善し▲26.1となった。民需関連では、依然として新築の件数は延びないが、リフォーム工事が好調だった。一方、官公需関連では公共工事の年度末発注があった地域では一時的に好調であるが、全国的には発注の減少傾向に歯止めがかからない状況にある。また、ガソリンや軽油等の燃料価格の上昇により採算が悪化し、利益幅が薄いという声が聞かれた。

 小売業のDIは、▲46.8で前月と比べ▲1.6ポイントの悪化。食料品や日用品小売業では、価格の面で優位な大手のスーパーマーケットやディスカウントストアに顧客を取られ、利益の確保に困難をきたしている。また、野菜等の生鮮品小売業では、天候不順による不安定な入荷量と暖房コストの関係から価格が高騰し、消費者に買い控えを引き起こし、売上が低迷している。

 サービス業DIは、▲38.2と前月と比べ▲2.0ポイントと3ヵ月連続の悪化。特に、自動車整備業では、消費者が修理や車検にかかる費用を少なくしたいと、チェーン店を選択する傾向が進んでいるとの報告があった。また、宿泊業では豪雪で利用客が伸び悩み、売上が悪化した。飲食業では、例年に比べ野菜や魚介類の仕入価格の上昇や寒波による暖房費の増加などコスト面での要因により、採算等が悪化していると報告があった。

 同調査結果は↓
 http://www.shokokai.or.jp/

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