2012年04月02日-3
「中小会計要領」普及で金利優遇制度等創設へ

 「中小企業の会計に関する検討会」(座長:万代勝信一橋大学大学院商学研究科教授)は、「中小企業の会計に関する基本要領」(中小会計要領)を広く普及させ、その活用を促進するための方策について27日、普及・活用策を含めた最終報告書をまとめた。中小企業関係者、金融機関関係者、会計専門家等が一丸となって「中小会計要領」の普及・活用に取り組むことで、中小企業の経営力の強化や資金調達力の強化等に繋がることが期待される。

 「中小企業の会計に関する検討会」及び「同ワーキンググループ」(座長:弥永真生筑波大学ビジネス科学研究科教授)は、「中小会計要領」を2012年2月1日に公表した後も、引き続き日本商工会議所、企業会計基準委員会、中小企業庁、金融庁等各機関・団体が中小会計要領の普及・活用策について検討し、今般これを取りまとめ「中小企業の会計に関する検討会報告書」として公表した。

 報告書では、「中小会計要領」に従った会計処理を行い、経営者が必要な財務情報を入手し、それに基づき自社の経営状況を的確に把握することは、新規投資や経営改善の際の経営判断の前提であり、また、金融機関等の利害関係者に正確に自社の財務情報や経営状況を説明するために必要。経営者が会計の重要性を認識し、財務情報に基づき経営判断を行うことにより、企業の経営力や資金調達力の強化や取引拡大に繋がることが期待される。

 また、普及・活用策として、各機関・団体の1万4000ヵ所を超える拠点を通じてパンフレット等を中小企業に配布するとともに、各機関・団体がそれぞれ中小企業、会計専門家、指導員等向けに、「会計啓発・普及セミナー」等の研修・セミナーを全国各地で開催する。また、計算書類等の作成支援として、会計専門家による信頼性ある計算書類作成の相談、指導を行い、中小企業関係団体による記帳指導・窓口相談において適切な助言を実施する。

 一方、日本政策金融公庫は、「中小会計要領」適用・活用企業に金利優遇制度を創設。金融庁は、監督指針・金融検査マニュアルで、金融機関が顧客企業に助言するにあたり「中小会計要領」等の活用が有効であること等を記載。中企庁は、法律に基づく経営革新計画等の認定にあたり、「中小会計要領」に従った計算書類の提出を慫慂、補助金採択にあたっては、「中小会計要領」に従った計算書類の提出があった場合には一定の評価を行う。
 
 この件の詳細は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/23/sonota/20120327-2.html

 報告書(全文)は↓
 http://www.fsa.go.jp/news/23/sonota/20120327-2/01.pdf

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