2012年03月29日-1
今年の新入社員のタイプ命名は「奇跡の一本松型」

 社会経済生産性本部は27日、今年4月の新卒入社者のタイプを「奇跡の一本松型」と命名したと発表した。東日本大震災にも耐えて生き残った「奇跡の一本松」の話は、復興に向けて多くの人に勇気を与えてくれた。今年の新入社員についても、前例のない厳しい就職戦線を乗り越えてきた。これからの人生においても自然災害を始め多くの“想定外”の事態に直面することもあろうが、それを乗り越えていくことが大いに期待される。

 多くの若者たちが復興へのボランティア活動などを通じて、あらためて他人の気持ちに寄り添うことや、人間関係の「絆」の大切さを再認識し、チームや組織としての互助的な協力関係を築くことの大切さを実感したようだ。一般的な見解と異なり、昨今の若者には他者への触れ合いや協同を通じて社会の役に立っていきたいという気持ちがあることが分かる、との若者たちの就業観が垣間見えた。

 就職氷河期以降、若者たちは、既存の会社のありようにいかに自分を合わせるかということに汲々としてみえる。環境に適応することは大切だが、それだけではもったいない。既存のものだけでなく“想定外”の事態に遭遇することも今回の大震災から教訓として学んだ。そうであれば、これからの若者たちは柔軟な発想や新しい価値観を取り入れ、社会や企業のなかで「変化」という風を吹かせる原動力となるだろう、との期待も示している。

 いずれの若者たちも最初は「芽」の段階であって未知数だが、先輩や同僚の胸を借りる(接木)などしながら自身の個性や能力(種子や穂)を育てていけば、やがてどんな場所(部署)や仕事でもやっていける(移植)だろうし、他の仲間とつながって大きく育っていく(松原)ことが期待されるとした。なお、昨年度の新卒入社者のネーミングは、東日本大震災の発生により発表を差し控えている。

 発表予定だった2011年度の新入社員のネーミングは「はやぶさ型」だったという。「宇宙探査機『はやぶさ』が7年に及ぶ長旅から帰還したことが多くの人に感動を与えた。最初は音信不通になったり、制御不能となったりでハラハラさせられたが、長い目で見れば期待した成果を上げることができるだろう。あきらめずに根気よくシグナルを送り続けることが肝心」とのコメントも用意されていた。果たして合っていたのだろうか。

 この件の詳細は↓
 http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity001336/attached.pdf

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