2012年03月21日-1
職場のパワーハラスメント予防・解決で提言~厚労省

 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」(座長:堀田力さわやか福祉財団理事長)は15日、「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」をまとめ、公表した。この提言を踏まえ、厚生労働省では、平成24年度から・職場のパワーハラスメントの実態を把握するための調査研究、・予防・解決に向けた社会的気運を醸成するための周知・広報を実施する予定だ。

 暴言や仲間外しといった「職場のパワーハラスメント」は、近年、都道府県労働局への相談が増加傾向にあるなど、社会問題として顕在化しており、こうした行為は社員のメンタルヘルスを悪化させ、職場全体の士気や生産性を低下させるとも指摘されている。同省では、昨年7月から同会議を開催し、(1)現状と取組みの必要性、(2)予防・解決すべき行為、(3)取組みの在り方、などについての議論を重ねてきた。

 提言では、まず、「1.はじめに~組織で働くすべての人たちへ~」として、暴力、暴言、脅迫や仲間外しなどのいじめ行為に悩む職場が増えている、業務上の注意や指導なども、適正な範囲を超えると相手を傷つけてしまう場合がある、こうした行為は「職場のパワーハラスメント」に当たり、誰もが当事者となり得ることを、組織で働くすべての人たちが意識するよう求める、とした。

 次いで、「2.職場のパワーハラスメントをなくそう」、「3.職場のパワーハラスメントをなくすために」と続き、企業や労働組合はこの問題をなくすために取り組むとともに、その取組みが形だけのものにならないよう、職場の一人ひとりにもそれぞれの立場から取り組むことを求め、トップマネジメントは、こうした問題が生じない組織文化を育てるために、自ら範を示しながら、その姿勢を明確に示すなどの取組みを行うべき、とした。

 職場の一人ひとりに期待することでは、(1)互いの価値観などの違いを認め、互いを受け止め、人格を尊重し合う、(2)互いに理解し協力し合うため、適切にコミュニケーションを行うよう努力する、(3)問題を見過ごさず、パワーハラスメントを受けた人を孤立させずに声をかけ合うなど、互いに支え合うことを挙げた。国や労使の団体に対しては、この提言等を周知し、対策が行われるよう支援することを求めている。

 提言(全文)は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000025370-att/2r9852000002538h.pdf

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