2012年03月15日-3
東北地域の景況DIが大幅に改善~食品産業

 日本政策金融公庫が行った「2011年下半期食品産業動向調査」結果(有効回答数2367社)によると、景況判断を示す景況動向指数(景況DI=売上高、経常利益、資金繰りの各DIの平均)は、売上高DIが9.4ポイント、経常利益DIが5.5ポイント、資金繰りDIが2.8ポイント、それぞれ改善となり、平均した景況DIは5.9ポイント上昇しマイナス14.3となり、景況感が改善、持ち直しとなった。

 地域別の景況DIは、特に、東北地域では21.2ポイント上昇しマイナス6.1の大幅な改善となった。一方、北関東地域はマイナス28.6と上昇幅が1.2ポイントにとどまり改善が遅れている。業種別では、製造業が7.2ポイント上昇しマイナス11.7の改善、卸売業が1.9ポイント低下しマイナス26.5の小幅な悪化、小売業が8.4ポイント上昇しマイナス2.0の改善、飲食店が34.0ポイント上昇しマイナス6.5の大幅な改善となった。

 仕入れ価格DIは、前回調査より4.8ポイント低下したが、プラス38.4と原材料価格の高止まり傾向を反映する結果となっている。2012年上半期見通しでは10.0ポイント低下のプラス28.4と今後も仕入れ価格が上昇すると見込む。販売数量DIは、8.7ポイント増加しマイナス11.1の改善、販売価格DIは、2.5ポイント低下しマイナス11.6の悪化。仕入れ価格の上昇傾向が続いているが、販売価格は横ばい傾向のままとなっている。

 雇用判断DIは、前回調査より6.7ポイント上昇しマイナス0.1と大きく改善。なお、2012年上半期見通しでは1.8ポイント低下しマイナス1.9とやや悪化。設備投資DI(2011年下半期時点での2012年通年の設備投資額の見通し)は、同1.1ポイント低下しマイナス4.9となったが、前年同期との比較では2011年設備投資DIのマイナス10.5から5.6ポイント上昇しており、食品産業の設備投資環境は改善傾向にあることがうかがえる。

 同調査結果は↓
 http://www.jfc.go.jp/a/topics/pdf/topics_120312_2.pdf

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