2012年03月12日-4
2月企業倒産976件、3ヵ月ぶりの前年同月比増加

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2月の倒産件数は976件で、前月比は2.6%の増加、前年同月比も10.4%の増加となり、3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。北海道(51件、前年同月比54.5%増)、近畿(293件、同35.6%増)など、復興需要の恩恵が少ない地域で、建設業を中心に小規模倒産の増加が目立つ。

 一方、負債総額は6289億8000万円で、前月比は57.9%、前年同月比も60.5%の増加となり、3ヵ月連続で前年同月を上回った。この要因は、半導体製造のエルピーダメモリ(株)(東京都)が負債4480億3300万円で倒産したこと。製造業としては過去最大を記録し、関連会社と合わせた2社で、負債総額全体の72.5%を占めた。負債1000億円以上の倒産が発生する一方で、負債100億円以上の倒産は2件にとどまった。

 業種別では、小売業(204件、前年同月比25.2%増)、サービス業(213件、同34.0%増)など7業種中4業種で前年同月を上回った。一方、建設業(234件、同1.3%減)、製造業(106件、同10.2%減)、不動産業(18件、同5.3%減)は前年同月を下回った。小売業は、外食(89件)が2010年3月(75件)を上回り、過去10年間で最多。サービス業は、ソフトウエア(25件、同108.3%増)や広告代理(11件、同83.3%増)などで大幅増加した。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は557件発生、構成比は57.1%と9ヵ月連続で50%を超えた。一方、負債1000億円以上の超大型倒産が2か月連続で発生した。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満が567件、構成比は58.1%を占めた。中小企業・小規模企業をみると、全体の99.8%の974件が中小企業に該当し、小規模企業は865件で88.6%を占め、小規模・零細企業の倒産は高水準で推移している。

 同倒産状況の概要は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1202.html

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