2012年03月08日-4
企業の約8割が震災復興スピード「遅い」と認識

 東日本大震災の発生からおよそ1年が経過したが、帝国データバンクが2月17日~29日にかけて実施した「震災復興に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万713社)によると、震災による被災地域の復旧・復興のスピードについて「遅い」と回答した企業が79.9%となり、約8割の企業が被災地域の復興は遅れていると感じていることが分かった。一方、「早い」は2.8%と低い割合にとどまった。

 今後の自社への復興需要の有無については、「ある(見込み含む)」と回答した企業は全体の23.1%となり、4社に1社が復興需要を見込んでいた。また「ない(同)」は51.2%となった。自社への復興需要が「ある(同)」としている企業を地域別にみると、「東北」では45.5%と4割を大きく上回った。一方で、「九州」(12.7%)や「四国」(15.0%)など、総じて西日本では復興需要を見込む企業は少なくなっている。

 自社の復興需要の時期(複数回答)については、「2012年度後半」が69.0%で最多となり、次いで「2013年度」(45.2%)、「2012年度前半」(41.3%)と続いた。地域別では、「東北」は「2011年度内」とする企業が30.4%と3割を超えているほか、「2012年度前半」(55.0%)も半数を超えており、東北地域では早い段階での復興需要を見込んでいる様子がうかがえる。一方で、復興需要が少ない西日本では時期も遅れる傾向がみられた。

 今後の復興への課題(複数回答)では、「原発事故対策」を挙げる企業が84.6%と、8割を超す高水準となった。次いで「被災地域の経済復興政策」(69.6%)、「災害廃棄物の処理」(65.8%)、「被災者に対する雇用・失業対策」(61.4%)が続いた。特に「災害廃棄物処理」は昨年10月の前回調査から21.7ポイントも増加したほか、「原発対策」も16ポイント増加しており、今後の復興に大きな障害となると考える企業が大幅に増えている。

 同意識調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w1202.pdf

ウィンドウを閉じる