2012年03月05日-1
中国来が91.2%にのぼる知的財産侵害物品の差止

 財務省はこのほど、2011年の全国の税関における偽ブランド品等の知的財産侵害物品の差止状況をまとめた。それによると、全国の税関で輸入差し止めを行った知的財産侵害物品は2万3280件と、前年と同水準(前年比0.2%増)であり、2007年以降5年連続で2万件を超え、1日当たり60件以上差し止めていることになる。バッグ類やキーケース類の差止めが減少した一方、衣類や靴類の差止めが増加した。

 品目別にみると、前年に比べて、衣類、身辺細貨類、携帯電話及び付属品、CD・レコード類等の輸入差止めが件数・点数ともに増加している。ヒット商品に便乗した商品の差止めが目立った。また、消費者の安全を脅かす危険性のある医薬品、家庭用雑貨、眼鏡類及び付属品、化粧品の輸入差止点数が、前年に比べて増加。また、7年ぶりに育成者権侵害物品を差し止めている。

 輸送形態別でみると、郵便物が全体の件数の94.0%を占めており、前年の95.9%から減少したものの、引き続き、郵便物により輸入しようとする傾向がみられる。なお、差止件数全体において一般貨物が占める割合は低いものの、一般貨物の差止件数は前年に比べて45.9%増加した。これは、靴類、携帯電話及び付属品等の差止めが増加したことによる。郵便物、一般貨物ともに、前年に比べて差止点数が増加している。

 仕出国別にみると、中国来の知的財産侵害物品の差止件数は2万1235件であり、仕出国別の構成比では前年の90.4%から91.2%に増加し、2年連続で全体の9割超を占めている。また、2位の香港来が構成比3.0%、3位のフィリピン来が同2.1%となっており、中国来への一極化がさらに進んでいる。なお、過去、差止件数の多かった韓国来は、年々減少し、同1.9%となり、4位だった。

 この件の詳細は↓
 http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2011/ka240301b.htm

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