2012年03月01日-3
新卒就職採用、将来的には通年採用を目指す~同友会

 経済同友会はこのほど、新卒採用問題プロジェクト・チーム(委員長:前原金一副代表幹事・専務理事)の提言「新卒採用問題に対する意見」をまとめた。提言は、(1)就職採用活動の開始時期について、(2)企業による採用情報の発信と採用方法の改善、(3)中堅・中小企業とのマッチングの必要性、の3部構成で、企業・経済界も社会からの要請や新たな動きに柔軟に対応し、積極的に社会改革の実現に貢献していくべきとしている。

 就職採用活動の開始時期は、「広報活動は大学3年生の3月から、選考活動は大学4年の8月から」とすべきである(実施時期は、2014 年3月卒業予定者を対象とした採用活動から実施)。将来的には「通年採用」への移行を目指す。東京大学などの「秋入学」への挑戦を支援するため、秋採用や通年採用を組み合わせた採用の複線化・多様化を図るべきである。秋入学を検討している大学にはできるだけ早い導入を期待したいとした。

 また、現在の就職採用活動では、一部の企業にエントリー・応募が集中するといった事態が生じ、学生と企業のスムーズなマッチング実現のため、企業はキャリア教育への協力や採用に関する情報の発信を行うとともに、様々な問題が指摘されているエントリーシートを中心とした採用方法の改善を図るべきで、とりわけ就職人気企業は、キャリア教育、採用情報の発信、採用方法の改善に積極的に協力すべきであると主張した。

 最後に、中堅・中小企業においては、優良企業であっても容易に人材が集まらない現状を踏まえ、中堅・中小企業と学生のマッチングを促進する仕組みの構築が急務としている。新卒応援ハローワークの新卒求人情報やセミナー・イベント情報を積極的に活用すべき、また、新卒応援ハローワークの求人情報はウェブ上に公開されているが、学生からの認知度は低く、大学の就職指導課などでの積極的な利用を期待している。

 同提言の全文は↓
 http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2011/pdf/120223a.pdf

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