2012年02月20日-1
労働生産性の国際比較、日本は先進7ヵ国中最下位

 日本生産性本部がまとめた「労働生産性の国際比較・2011年版」によると、2010年の日本の労働生産性(就業者1人あたり名目付加価値)は、6万8764ドル(766万円/購買力平価換算)でOECD加盟34ヵ国中第20位、主要先進7ヵ国では17年連続の最下位となった。購買力平価とは、各国の物価水準の差を調整して購買力が等しくなるように、ある組合せの商品を一定量購入するのに必要な通貨の比率を表したもの。

 OECD加盟諸国の第1位は「ルクセンブルク」が12万2782ドル(1368万円)で1970年以降41年連続のトップ、2位「ノルウェー」11万428ドル(1230万円)、3位「アメリカ」10万2903ドル(1146万円)。2010年の日本の労働生産性は、2009年から5.8%上昇し、順位も2つ上げた。これは、リーマン・ショックに伴って2009年のGDPが大きく落ち込んだ反動と、デフレ進展に伴う購買力平価換算レート上昇による影響が大きい。

 日本の時間当たりでみた名目労働生産性は、2010年は39.4ドル(4389円)で、OECD加盟34ヵ国中第19位だった。これは、カナダ(45.1ドル/同17位)やイタリア(43.5ドル/同18位)、アイスランド(39.1ドル/同20位)とほぼ同水準にあたる。OECD加盟国では、1位のルクセンブルグ(76.0ドル/8465円)と2位のノルウェー(75.4ドル/8399円)がやや突出している。

 日本の製造業の労働生産性(2009年/為替レート換算値)は、8万4097ドル(776万円)で、OECD加盟主要21ヵ国の中で10位。ルクセンブルグ(8万8902ドル/同9位)やドイツ(7万6240ドル/同11位)に近い水準で、トップの米国(13万2449ドル/1223万円)と比較すると63%にとどまっている。1990年代にトップクラス(1995年は第1位)だった日本の順位は、2000年代に入って低落傾向にある。

 世界銀行等のデータから作成した労働生産性水準(2009年)をみると、95ヵ国中トップはルクセンブルグ(11万9634ドル)、ノルウェー(10万7232ドル)、ブルネイ(10万3157ドル)と続き、日本(6万4988ドル)は26位。BRICs各国では、ロシアが3万8638ドルで46位、ブラジルが2万1460ドルで67位、中国は1万1612ドルで82位だが、2000年から2009年の間に実質ベースで約2.3倍になっている。

 「労働生産性の国際比較」の概要は↓
 http://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2011_press.pdf

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