2012年02月16日-4
11年企業倒産の全国平均負債額は過去20年間で最少

 2011年の企業倒産は、負債5千万円未満の小規模倒産が2社に1社を占め、全国平均負債額が過去20年間で最少の2億8200万円に低下したことが、東京商工リサーチがこのほど発表した「2011年都道府県別平均負債額調査」で明らかになった。調査結果によると、都道府県別では、栃木県が2011年最大の大型倒産となった安愚楽牧場(負債4330億8300万円)やゴルフ場などが押し上げトップとなった。

 2011年の企業倒産件数は1万2734件と6年ぶりに1万3千件を下回り、負債総額は3兆5929億2000万円で、1990年以来21年ぶりに5兆円を割り込んだ。これに伴い、2011年企業倒産の全国平均負債額は、前年比47.4%減の2億8200万円にとどまった。過去は、2007年4億600万円、2008年7億8500万円、2009年4億4700万円、2010年5億3700万円と推移、2011年は1994年(4億円)を下回り、過去20年間で最少となった。

 2011年の都道府県別において、平均負債額が最大となったのは「栃木県」の42億3400万円、次いで「岡山県」20億7400万円、「群馬県」5億9100万円、「三重県」5億8900万円、「宮城県」4億7900万円、「青森県」4億7700万円の順。トップの栃木県は、和牛畜産、和牛オーナー制度運用の安愚楽牧場の大型倒産が、また岡山県は、食品原料、医薬・試薬品等販売の林原(負債1322億7100万円)と関連会社の倒産で負債が膨らんだ。

 負債額別で、負債10億円以上の大型倒産の件数推移をみると、2007年が766件、2008年942件、2009年868件、2010年565件となり、2011年は前年比21.0%減の446件にとどまった。2011年は3年連続で前年を下回るとともに、1990年(244件)以来21年ぶりに500件を下回った。また、大型倒産の年間倒産に占める構成比は、前年比0.7ポイント低下の3.5%となり、1990年(3.7%)以来21年ぶりに4.0%を下回った。

 これに対して、負債5千万円未満の小規模倒産の年間倒産件数に占める構成比をみると、2007年が43.1%(6084件)、2008年41.2%(6455件)、2009年44.0%(6819件)、2010年48.8%(6508件)と推移し、2011年は年49.9%(6359件)となった。2011年は負債5千万円未満の倒産件数構成比が、過去20年間で最も高い比率を占め、倒産の小規模化を裏付けている。

 同調査結果は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2012/1216681_2004.html

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