2012年02月16日-2
消費者物価上昇率に1%の目標値設定~日銀

 日本銀行は14日の政策委員会・金融政策決定会合で、「中長期的に持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率として、『中長期的な物価安定の目途』を示すこととする。日本銀行としては、『中長期的な物価安定の目途』は、消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域にあると判断しており、当面は1%を目途とする」と具体的な目標値を設定するとともに、資産購入等基金の10兆円上乗せを決めた。

 目標値設定については、当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく。ただし、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を確保する観点から、問題が生じていないことを条件とする、としている。

 また、資産買入等の基金を55 兆円程度から65 兆円程度に10 兆円程度増額する。買入れの対象は長期国債とする。現在、資産買入等の基金の残高は43 兆円程度であるため、今回の増額分と併せ、本年末までに残高は22 兆円程度増加することになる。なお、日銀では、資産買入等の基金とは別に、年間21.6兆円の長期国債の買入れを行っている。この結果、今週の円相場は、15日時点で78円台中盤まで下げている。

 わが国経済の先行きについては、欧州債務問題の今後の展開やその帰趨、電力需給の動向や円高の影響など、引き続き不確実性が大きい。もっとも、最近では、欧州債務問題を巡る国際金融資本市場の緊張は、昨年末頃に比べると幾分和らいでいる。米国経済では、バランスシート調整の重石はあるものの、このところ改善の動きがみられる。わが国についても、内需は震災復興関連の需要もあって底堅い展開を辿っている、としている。

 この件の詳細は↓
 http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/k120214a.pdf

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