帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況（負債１千万円以上）によると、１月の倒産件数は951件で、前月比は9.9％の増加となったものの、前年同月比は2.6％の減少となり、２ヵ月連続で前年同月を下回った。復興需要の効果もあり、建設業が３ヵ月連続で減少し、特に東北（５件、前年同月比58.3％減）、関東（70件、同12.5％減）などで減少が目立つ。
一方、負債総額は3983億7900万円で、前月比は23.7％、前年同月比も59.6％の増加となり、２ヵ月連続で前年同月を上回ったものの、総じて低水準が続いている。この要因・背景には、(1)負債トップは、ゴルフ場経営の（株）太平洋クラブ（東京都）で1260億円、関連会社６社とあわせ、負債総額全体の47.5％を占める、(2)負債1000億円以上の倒産が５か月ぶりに発生するも、負債100億円以上の倒産は３件にとどまったことなどがある。
業種別にみると、建設業（207件、前年同月比6.3％減）、製造業（135件、同13.5％減）など５業種で前年同月を下回った。一方、卸売業（153件、同7.0％増）、サービス業（194件、同8.4％増）の２業種は前年同月を上回った。製造業は、鉄鋼業、非鉄金属・金属製品（10件、同54.5％減）、一般機械（16件、同15.8％減）などで大幅減少。サービス業は、ゴルフ場経営（10件）、ホテル・旅館（14件）などで増加した。
負債額別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は482件発生、構成比は50.7％と８ヵ月連続で50％を超えた。一方、負債1000億円以上の超大型倒産が５か月ぶりに発生した。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満が511件、構成比は53.7％を占めた。中小企業・小規模企業をみると、全体の99.8％の949件が中小企業に該当し、小規模企業は827件で87.0％を占め、小規模・零細企業の倒産は高水準で推移している。
同倒産状況の概要は↓
http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1201.html