2012年02月13日-3
11年休廃業・解散2万5千件超、年間倒産の約2倍

 東京商工リサーチがこのほど発表した「2011年休廃業・解散企業動向調査」結果によると、2011年の休廃業・解散は、前年比5.2%減の2万5402件となった。休廃業・解散は、2003年を底に毎年増加を続けていたが、8年ぶりに前年を下回った。ただし、倒産は沈静化しているなか、休廃業・解散は増加を続けたため、2010年に倒産件数の2倍を超え、2011年も倒産件数1万2734件に対し、約2倍で推移した。

 このように、倒産に集計されない休廃業・解散は高水準で推移しており、水面下では事業停止や事業継続を断念する企業が多いことを浮き彫りにした。景気低迷のなかで、事業不振に陥った企業や後継者難など、様々な要因から事業継続を断念する企業は多いとみられる。さらに、事業改善の見通しがつかない企業は、金融機関の支援を受けながら「自主廃業」に舵を切るケースも増えるとみられ、今後の休廃業・解散の動向が注目される。

 2011年の休廃業・解散を産業別にみると、10産業のうち7産業で減少。このうち、増加は「サービス業他」(5035→5259件)、「不動産業」(1672→1749件)、「情報通信業」(624→675件)の3産業だった。サービス業他は、零細規模の飲食業などが中心で、不動産業も東日本大震災の影響などで取引停滞が影響したようだ。情報通信業は、ソフト開発の内製化の動きや、情報処理業務のアウトソーシング化の縮小が背景にあるとみられる。

 また、2011年の休廃業・解散を地区別にみると、9地区のうち関東と中部を除く7地区で前年を下回った。このうち、震災で被災した東北の減少幅が最も大きかった。ただし、同地区は、津波で事業資産が流出して、企業活動を把握できないケースが相当数あることが背景にあるとみられ、復興事業の本格化に伴い、事業再建を断念し、休廃業・解散を選択するケースも増える可能性があるとみられている。

 同動向調査結果は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2012/1216680_2004.html

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