2012年02月09日-3
覚醒剤の密輸を過去最高の185件摘発~税関

 財務省は6日、2011年の1年間に全国の税関が空港や港湾等で、不正薬物の密輸その他の関税法違反事件を取り締まった実績をまとめた。不正薬物全体の密輸摘発件数は326件。覚醒剤・大麻等の粉末状薬物の押収量は約509キログラム。MDMA・向精神薬等の錠剤型薬物の押収量は約2万錠に上った。一方、覚醒剤の密輸摘発件数は185件、押収量は約402キログラム、商業貨物等による覚醒剤密輸入事犯の摘発件数も過去最高を記録した。

 不正薬物関係では、摘発件数は185件(対前年比22%増)と、これまで過去最高だった164件(2009年)を上回った。押収量は約402キログラム(同25%増)と引き続き高水準。密輸形態別では、航空機旅客による密輸入事犯の摘発件数は141件、押収量が約232キログラムとなり、摘発件数については過去最高、押収量については過去2番目の数字。また、商業貨物等による摘発件数が22件で、過去最高となった。

 大麻の摘発件数は71件(対前年比20%増)、押収量は約57キログラム(同2.1倍)と、近年の減少傾向から一転、大幅な増加に転じた。大麻草は米国を仕出とする摘発(24件、3キログラム)の割合が多く、大麻樹脂についてはインドを仕出とする摘発(7件、約43キログラム)の割合が多い。その他不正薬物では、コカインの密輸摘発押収量は、約38キログラム(同6.6倍)と、大幅に増加した。

 2011年12月、門司税関は、関係機関との連携の下、たばこ3万本、中古タイヤ約400本等を、最終仕向地が北朝鮮であるにもかかわらず、中国が最終仕向地との虚偽の輸出申告をし、不正に輸出した法人等を関税法違反で告発。また、同年10月、神戸税関は、デンマークから冷凍豚肉を輸入する際に、豚肉の差額関税制度を悪用し、価格を高価に偽って申告することで、関税約1460万円を不正に免れた日本人男性を関税法違反で告発した。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/mitsuyu/cy2011/index.htm

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