2012年02月02日-1
2011年の社長交代率は2.46%で過去最低を更新

 帝国データバンクが1月30日に発表した「全国社長分析」によると、同社の企業概要ファイル(約141万社収録)から抽出した123万2372人の社長のうち、2011年に3万291人が交代し、社長交代率は2.46%と、過去最低だった2010年より0.01ポイント低下し、過去最低を更新した。社長交代率の低迷が続く大きな要因は、中小零細企業における後継者難の増加や、平均寿命の上昇などに伴う社長在任期間の長期化とみられている。

 平均年齢は59歳9ヵ月と、前年と比べ2ヵ月上昇、81年以降31年連続で上昇した。また、経営する会社の資本金別にみると、大企業ほど平均年齢は63歳付近で一定に推移し、元々平均年齢が低かった中小企業の高齢化が進み、大企業と中小企業の年齢差が縮小する傾向にあった。しかし、2011年は「10億円以上」の平均年齢が64歳0ヵ月と、82年の当項目調査開始以来、前年に続き過去最高を記録するなど、規模間平均年齢差が広がった。

 出身大学別にみると、「日本大学」が2万6085人となり、83年の同項目調査開始以来29年連続でトップ。以下、2位は11年連続で「慶應義塾大学」(1万3494人)、「早稲田大学」(1万2778人)、「明治大学」(1万1039人)、「中央大学」(1万195人)と続く。出身地別では、「東京都」が10万375人でトップ、以下、「北海道」(6万3034人)、「大阪府」(5万9420人)、「愛知県」(5万3706人)、「福岡県」(4万3906人)と続いた。

 また、出身地別人口10万人当たりの社長数では、「福井県」が1754人となり、同項目の調査を開始した82年以降、30年連続でトップとなった。以下、2位は「山梨県」(1549人)、3位は「島根県」(1447人)。福井県は、国内シェア95%以上を占める「眼鏡枠・部分品製造」などに代表されるように、古くから外部依存の低い地域産業を築いて事業を立ち上げ、それを次代に継承する環境が整っていることなどが要因とみられる。

 女性社長の交代率は3.35%(対象7万3225人のうち2454人が交代)となり、男性社長の交代率(2.40%)を0.95ポイント上回った。女性社長の交代率が高い要因は、結婚・出産などをきっかけとした交代、前代表(夫)の辞任(死去など)に伴う臨時・短期的な就任ケースが含まれることなどがある。全社長数に占める女性社長の比率は、過去最高だった前年から0.06ポイント増の5.94%、また、平均年齢は61歳11ヵ月となっている。

 同社長分析の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p120106.pdf

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