2012年01月26日-3
「国の政策」に翻弄されそうな12年の中小企業経営

 産業能率大学が従業員数6人以上300人以下の企業経営者を対象に実施した「2012年の中小企業の経営施策に関する調査」結果(有効回答数698人)によると、2012年の経営活動に影響を与えると想定している要因(3つまで回答)は、「国の政策の変化」(41.7%)がトップ、次いで「需要の不足」(34.8%)、「国際情勢の悪化」(34.5%)、「業界構造の変化」(29.7%)、「円高」(28.8%)、「人材の不足」(23.9%)などが続いた。

 欧州の債務危機や新興国を含め世界景気の先行きが見通しづらい状況にあり、一方の国内でも増税気運が高まっていることから、こうした項目が高い結果が出ているとみられている。2011年の経営活動に影響を与えた要因と比べると、「国の政策の変化」(34.0%→41.7%)、「国際情勢の悪化」(26.4%→34.5%)、「業界構造の変化」(24.9%→29.7%)などで、12年予想が11年実績より高い割合となっている。

 2012年に取り組みたいこと(3つまで回答)については、「営業力の強化」が36.1%で最も高く、次いで「市場シェアの拡大」(34.4%)、「利益率の向上」(33.0%)、「顧客満足度の向上」(30.8%)などが続いた。3つを選んだ中で優先度が最も高いものとしては、「営業力の強化」が15.5%で最も高く、「利益率の向上」(11.9%)、「新事業への進出」(11.0%)、「市場シェアの拡大」(10.6%)が1割を超えて続いている。

 経営者として重要度が高いと思う国の景気対策については、「法人税減税」と「消費刺激」がともに24.8%でトップ、これに「公共投資」が12.9%、「雇用創出」と「円高是正」が11.0%で続く。業種別にみると、土木・建設業では「公共投資」で最も高く、不動産関連業や医療・福祉、情報関連サービスでは「法人税減税」、製造業、運送・運輸業、卸売・小売業、サービス業では「消費刺激」が最も高い結果となった。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/forecast2012.pdf

ウィンドウを閉じる