2012年01月26日-2
会社法制見直しに反対姿勢を表明~経団連

 日本経団連は24日、「会社法制の見直しに関する中間試案」に対する意見を公表した。それによると、会社法施行後ようやく実務が定着してきた中で、制度改正自体が既に負担であるにもかかわらず、「必要な範囲や程度を超えた見直しが行われれば、事業活動を不当に萎縮させ、企業の組織選択の判断を歪め、多大なスイッチングコストを押し付け、以って企業の活力を削ぐことになる」と制度改正自体に反対であることを表明している。

 特に、法令違反により生じた個別事例を一般化して見直しを進めれば、法制度に従い適切に経営されている多くの企業に過剰な負担を強いることになる。経済界として、社会からの一層の信頼と共感を得るため、ガバナンスの強化を含めて自主的な努力をさらに続ける所存であり、企業活動にとどまらず、日本経済の成長もストップさせかねない見直しは、断じて行うべきではないとしている。

 個別的には、社外取締役の選任の義務付けについては、経営の適正な監督を行うことができるか否かは、社外取締役であるといった形式的な属性ではなく、個々人の資質や倫理観といった実質により決まる。経営者に対する適正な監督は、「社外」かつ「取締役」でなければ担うことができないとの明確な根拠はなく、社外取締役の選任を法的に義務付けることには反対であるとした。

 また、会計監査人の選解任等に関する議案等及び報酬等の決定では、監査役が既に持つ権限を発揮することで、会計監査人の選任、報酬決定の利益相反のリスクは排除でき、選解任等に関する議案等及び報酬等の決定を監査役(会)の権限とする必要はないと主張。取締役会が選任しようとする会計監査人が適当でない、あるいは報酬が適正でないと判断した場合、監査役が同意を与えないことで、監査役の意見を反映することができるとした。

 同意見書は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2012/007.pdf

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