2012年01月19日-3
福利厚生費は4年ぶり増加の10万円~経団連調査

 企業が2011年3月までの1年間(2010年度)に負担した福利厚生費は、従業員1人1ヵ月平均10万76円で、前年度を2.7%上回り、4年ぶりに増加したことが日本経団連の調査で分かった。同調査は、1995年度から毎年実施しており、今回で55回目となる。今回の回答企業は710社で、回答企業の労務構成は、1社あたり平均従業員数が4266人、平均年齢が40.7歳となっている。

 調査結果によると、福利厚生費のうち、社会保険料等の企業拠出分である法定福利費は前年度比4.2%増の7万4493円、企業が任意に行う福祉施策に要する費用である法定外福利費は同1.5%減の2万5583円となった。月例給与と賞与・一時金を含めた現金給与総額(54万1866円、前年度比1.6%増)に対する比率は、福利厚生費全体が18.5%で、このうち、法定福利費は13.8%、法定外福利費は4.7%となった。

 法定福利費は、09年度に限り引き下げられた雇用保険料率が10年度に戻されたことに加えて、少子高齢化の進行の影響から、各項目で費用が増加した。「健康保険・介護保険」は前年度比3.6%増加し、2万5611円、「厚生年金保険」は段階的な料率引上げの影響もあり、同2.2%増加し、4万1073円、「雇用保険・労災保険」は同20.3%増加し、7091円、「児童手当拠出金」は同1.2%増加し、665円となった。

 法定外福利費は、前年度比6.2%の減少となった09年度からさらに減少した。「文化・体育・レクリエーションの活動への補助」(前年度比4.1%増の2103円)など、09年度に比べて費用が増加している項目はあるものの、いずれも前年度の落込みを回復する状況にない。そのなかにあって、近年重視されている従業員の「育児関連の費用」に限り、増加傾向は続いており、10年度は19.8%増の217円と、9年連続の増加となった。

 なお、通勤手当・通勤費は従業員1人平均9808円で前年度と比べ2.2%増、退職金(退職一時金と退職年金の合計額)は7万183円、同4.7%増となった。また、カフェテリアプラン消化ポイント総額は円換算で4478円、同3.7%増となり、利用実績が分かる導入企業は2社増えて87社となった。カフェテリアプランとは、従業員に一定の福利厚生利用枠と給付の選択肢を与え、従業員が個々の必要性に応じて給付を選択する仕組み。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2012/002.pdf

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