2012年01月18日-4
10~12月景況、リーマン・ショック、震災前水準に

 中小企業家同友会全国協議会はこのほど、2011年10~12月期景況調査速報をまとめた。これまで東日本大震災の発生から3ヵ月後・6ヵ月後時点での影響を調査してきたのに続き、今回は9ヵ月時点での影響をたずねた。全体として震災による影響は薄れ、震災前の状況に戻りつつある。「影響がある」は3ヵ月後時点で57.5%、6ヵ月後時点で36.6%だったのが、今回は25.7%に減った。

 業況判断DI(「好転」―「悪化」割合)は7~9月期の△9から7ポイント改善して△2となった。「好転」割合が30.1%、「悪化」割合が31.8%と震災前水準に回復し、「横ばい」割合については38.1%とリーマン・ショック前の水準に回復したことが注目される。業況水準DI(「良い」-「悪い」割合)は△15から△7と8ポイント改善してリーマン・ショック後最も高い数値となった。

 売上高DI(「増加」-「減少」割合)は△6から0と水面に達した。業種別にみると、「建設業」が4ポイント(0→4)、「流通・商業」が9ポイント(△5→4)、「サービス業」が11ポイント(△14→△3)それぞれ改善した。「製造業」は1ポイント(△5→△4)のみの改善にとどまっている。経常利益DI(「増加」-「減少」割合)は△12から△7と5ポイント改善したが、まだマイナス側にある。

 全体として多くの指標が震災前の水準に戻ってきている。業況水準DIや採算水準DIはリーマン・ショック後最高の数値となった。しかし、主要指標は次期・次々期で悪化を見込んでいる。2012年は、円高による輸出企業の大幅な対応変化、欧州債務危機の影響、自然災害による海外生産の不安、復興政策・エネルギー政策による負担増など、かつてない複合的な不安要素を抱えたスタートとなる。

 同調査結果は↓
 http://www.doyu.jp/research/dor/2011/newsflash98.pdf

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