2012年01月16日-1
2011年ブライダル関連市場、前年比微減の2.7兆円

 矢野経済研究所がこのほど発表した「ブライダル市場に関する調査」結果によると、2011年のブライダル関連市場規模は、前年比▲1.3%と微減の2兆7154億円の見込みだ。2009年以降、3年連続のマイナス成長の見通しとなった。2011年3月の東日本大震災後、「絆」という言葉が多用され、震災を契機とした結婚の増加を連想する報道がみられ、挙式披露宴市場への寄与に加え、結婚情報サービス市場の拡大も期待された。

 しかし、厚生労働省の「人口動態統計」による婚姻件数(9月までの月報推計ベース)は、2010年比で大きく減少している。この調査で対象とするブライダル関連市場のなかでも、最大の構成比を占める挙式披露宴披露パーティ市場は、単価が高いことから、1万組単位の婚姻件数の増減は市場規模を大きく左右し、2011年はブライダル関連市場縮小の大きな要因となっている。結婚情報サービス市場への寄与は限定的だった。

 2011年の挙式・披露宴・披露パーティ市場規模は、前年比▲2.4%の1兆4800億円の見込み。同市場は、単価上昇を追い風に2003年以降増加基調にあったが、従来同市場には影響がないとされてきた不況が遅れて波及、2010年には単価の伸び悩みが顕在化していた。2011年はそれに加えて震災による式場の営業休止、挙式キャンセルや延期、挙式披露宴1件当たりの少人数化が進んだことがマイナス要因となった。

 2012年は、挙式披露宴披露パーティ市場の復活、歴史的な円高を受けての新婚市場の拡大、ブライダルジュエリーの好調などがプラス要因となり、前年比0.9%増の2兆7400億円と予測。しかし、中長期的にみれば、少子化による婚姻件数減少が顕著となるほか、価値観の変化による挙式披露宴をしない“なし婚”層の拡大、非正規雇用者の増加による経済的不安などが婚礼マーケットに及ぼす影響は軽視できないとみている。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.yano.co.jp/press/pdf/896.pdf

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