2012年01月05日-1
規模が小さいほど転職経験者が多い女性正社員

 日本政策金融公庫総研が国内企業で働く20歳~59歳の女性就業者を対象に実施した「中小企業における女性の働き方に関する調査」結果(有効回答数6568人)によると、これまでの勤務先数をみると、正社員では、「2社以上」が小企業で82.8%、中企業で73.8%、大企業で48.9%となっており、規模が小さいほど転職経験者が多い。一方、非正社員は、規模にかかわらず9割以上が「2社以上」に勤務した経験を持っている。

 3年前に現在と「同じ会社で勤務」していた正社員は、小企業72.6%、中企業77.3%、大企業81.7%と、規模が小さいほど低い割合。一方、非正社員は規模の差はあまりみられず、どの規模でも5割前後と低い。3年間に現在と「異なる会社で勤務」していた人の勤務先規模の動きをみると、正社員では、同じ規模層への移動が50.1%、小さい規模層へは32.5%、大きい規模層へは17.4%と、相対的に小さい規模層に移動する傾向にある。

 1週間当たりの労働時間は、正社員では、中企業が小企業や大企業に比べてやや長くなっている。一方、非正社員では、「34時間以下」の割合が、小企業74.8%、中企業63.2%、大企業52.6%となるなど、規模が小さいほど労働時間が短い。通勤時間をみると、正社員では、片道「29分以下」が小企業51.9%、中企業42.6%、大企業29.3%となっており、規模が小さいほど自宅近くの場所で働いている傾向がある。

 年間収入の分布をみると、正社員で「300万円以上」の割合は、小企業で39.8%、中企業で58.8%、大企業で76.7%と、規模が小さいほど少ない。この傾向は、非正社員でも同じである。平均年間収入でみても、正社員の全体で小企業が296万円、中企業が343万円、大企業が440万円となっており、規模が小さいほうが収入が少ない。非正社員でも規模が小さいほうが収入は少ない。

 正社員について、家庭と仕事を両立させるための支援策をみると、すべての項目で規模が大きくなるほど制度や設備が充実している。また、実際に対応できている割合をみると、大企業が最も高い傾向にあるものの、設備・制度がある割合に比べると小企業・中企業との差は小さい。これは、小企業、中企業では、制度や設備がなくても柔軟に対応がなされているケースが多いからとみられる。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jfc.go.jp/common/pdf/sme_findings111226.pdf

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