2010年12月27日-4
経済気分、最悪期脱するも、先行きには慎重な見方

 博報堂生活総合研究所が首都圏の19歳から77歳までの男女を対象に11月下旬に実施した「『世の中』と『身の回り』の経済状況についての意識調査」結果(有効回答数335人)によると、「今年の世の中の景気」について、「良かった」と答えた人の割合は昨年比1.4ポイント増の5.4%、「悪かった」と答えた人の割合は7.8ポイント減の76.7%、「どちらともいえない」が7.2ポイント増の17.6%だった。

 評価はやや好転したものの、その水準は低く、「世の中の景気」実感は依然として厳しいものになったが、2008年、2009年と続いた最悪期からは脱した。一方、「今年の自分自身の生活(月収、ボーナス、こづかいなど)」については、「良かった」が昨年比6.6ポイント増の19.7%、「悪かった」が7.1ポイント減の46.3%、「どちらともいえない」が1.4ポイント増の33.7%で、過去最低の評価だった昨年から回復した。

 また、2011年への展望では、「来年の世の中の景気」について、「良くなる」は昨年(2010年への展望)比5.9ポイント増の26.0%、「悪くなる」は14.6ポイント減の27.5%、「今年と変わらない」は9.7ポイント増の46.3%だった。昨年までの3年間、来年の景気は「今年より悪くなる」の割合が「良くなる」を大幅に上回る状況が続いていたが、今回はその割合がほぼ並んだ。景気回復の期待が高まりつつあることがうかがえる。

 しかし一方で、全体の半分弱は「今年と変わらない」という回答をしており、先行きを楽観視しているわけではないようだ。また、「来年の自分自身の生活」については、「良くなる」は昨年比5.3ポイント増の24.5%、「悪くなる」は6.4ポイント減の29.9%、「今年と変わらない」は1.8ポイント増の45.1%だった。最悪期を脱して少しずつ明るい材料も見え始め、生活者には来年の「自分自身の生活」に対する期待感を持つ人も増えつつある。

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