2010年12月27日-1
積極的な消費意欲回復の兆し~電通「消費気分調査」

 電通総研が22日に発表した「消費気分調査」レポート(有効回答数1000人)によると、現在の消費気分は、積極的な消費意欲回復の兆しがあることが分かった。同調査は、節約・贅沢等の支出意識を定点観測するもので四半期ごとに発表している。今回は、全国の20~69歳の男女を対象に12月4・5日の両日に実施し、「2011年に買いたいもの・やりたいランキング」も自由回答で作成している。

 過去1年間の支出意識の変化をみると、「総じて増やしている」との回答が、前回調査(2010年9月)に比べて2.5ポイント増加の9.1%となった。「総じて減らしている」は、2009年12月以降減少傾向にあり、同1.7ポイント減少の37.7%、「節約をいつも意識している」は同4.2ポイント減少の26.8%。また、「ちょっとした贅沢」については、「よくある」(7.4%)、「ときどきある」(37.9%)の合計が45.3%となった。

 この贅沢意識の合計45.3%は、2009年3月の同調査開始以来、過去最高をマークした。このように、節約意識の減少と贅沢意識の増加が相まって、堅調な消費トレンドの回復とともに、広範な領域での支出増の兆しがみてとれる。商品ジャンル別にみると、「1年前と比べ、かけるお金を総じて増やしている」という項目のスコアが増加したのは、「家電製品・家具」、「教養・娯楽用耐久財(テレビ・パソコンなど)」、「医療・保険」だった。

 反対に、「1年前と比べ、かけるお金を総じて減らしている」というスコアが増加したのは、10月から大幅に値上げされた「たばこ」で、前回調査から5.4ポイント増の22.3%だった。また、前回同様に相対的にメリハリ消費の対象となったジャンルは、「自宅での食事」(20.1%)、「教養・娯楽用耐久財(テレビ・パソコンなど)」(18.7%)、「家事雑貨・日用品」(16.7%)、「家電製品・家具」(15.2%)などだった。

 なお、「2011年に買いたいもの・やりたいランキング」では、第1位が「スポーツ、運動、体力づくり」(10.6%)、以下、「地デジ対応のテレビの購入」(10.0%)、「パソコン、ノートパソコンの購入」(9.4%)、「自動車」(7.6%)が続いた。特に注目されるのは「自動車」で、2011年は、電気自動車やプラグインハイブリッドカーの発売が相次ぎ、エコカーの選択肢が一段と拡がって自動車への関心が例年以上に高まると予想されている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010124-1222.pdf

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