2010年12月24日-3
10年の新規開業費用平均は1289万円~日本公庫

 日本政策金融公庫総合研究所が発表した「2010年度新規開業実態調査」では、2010年の新規開業費用平均は、2009年調査を0.1%(1万円)上回る1289万円とほぼ横ばいで、過去3番目に低い数字となった。ちなみに、最低金額だったのは2008年の1238万円。調査は、同公庫が2009年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業1年以内の企業(不動産賃貸業を除く)を対象に、今年8月時点で実施したもの。

 調査結果(有効回答数1738社)によると、開業時の経営形態は、「個人経営」の割合が前年より2.2ポイント下回る60.4%となったが、「法人経営」(39.6%)を大きく上回る。開業費用は、「500万円未満」が38.0%を占めてもっとも多く、次いで「500万円~1000万円未満」が28.3%、「1000万円~2000万円未満」が18.2%、「2000万円以上」が15.5%となっており、全体の平均では1289万円となった。

 経営者の開業時の年齢は、「30歳代」が35.6%で最多、次いで「40歳代」が29.2%、「50歳代」が18.9%、「29歳以下」が8.7%、「60歳以上」が7.7%となっており、全体の平均は前年を0.5歳上回る42.6歳だった。また、経営者の開業直前の職業については、「正社員(管理職)」が45.2%を占めて最多、次いで「正社員(管理職以外)」が26.3%、「会社や団体の常勤役員」が13.0%で続くが、「パート・アルバイト」も8.5%いる。

 勤務先の離職理由は、「自主退職」が72.7%と7割強を占め、「勤務先の倒産・廃業」(8.6%)や「事業部門の縮小・撤退」(8.5%)、「解雇」(3.0%)などの「勤務先の都合による退職」は20.1%だった。前年と比べると、「自主退職」の割合が3.9ポイント減少する一方、「勤務先の都合による退職」が3.3ポイント増加した。なお、現在の売上状況は、「増加傾向」が55.9%と過半を占め、「横ばい」が33.4%、「減少傾向」は10.7%にとどまる。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.jfc.go.jp/common/pdf/shinkikaigyou_221221.pdf

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