2010年12月23日-1
高校生のなりたい職業1位は「公務員」

 電通総研が立ち上げた、今の10~20歳代を取り巻く様々な環境や社会問題を分析し、若者のリアルに迫る研究プロジェクト『若者問題研究所(略称:電通ワカモン)』では、プロジェクトの第一弾として、高校生対象のアンケート調査(全国の高校生男女600人)を実施した。それによると、先回りで将来を心配し、今から心の準備をしようとする今どきの高校生は、ゆとり教育世代でありながらも、実際には心のゆとりがあまりないようだ。

  高校生の将来なりたい職業は、「公務員」(20%)、「大企業の正社員」(19%)、「介護士・保育士・看護士」(11%)。「日本の将来が不安」と思う割合は86%。不安要素は、「景気」51%、「年金」32%と、日本の未来に無関心というわけではない。また、不安に思うことの第1位は「将来の就職」(80%)。なんと「大学受験」(69%)より高く、今から先回りで将来を心配しておくことで、心の準備をしておこうとする慎重志向が現れている。

 今の高校生(1992年~1995年生まれ)は、小学校のころから“ゆとり教育”を受けて育った世代である。しかし、多くの高校生が「ゆとり世代といわれるのは嫌だ」(77%)と答えている。その理由は、「馬鹿にされているみたいだから」、「将来を考えると不安」が多数を占め、今、時間があることよりも、彼らの将来にゆとり教育がどう影響するかを気にしているようだ。

 高校生の「場の空気に合わせてふるまう」率は96%と、「空気を読む」のはもはや常識。また、普段の自分のキャラクターとして、3人に1人が「普通」であることを意識しながら、「その場に合うキャラを意識することがある」と83%が答えている。場面に合わせて普段とは違うキャラを使い分けて接することは、高校生にとって“空気を読む”手段のひとつとなっているようだ。

 場キャラを変える理由は、「人間関係がスムーズになる」73%、「みんなで盛り上がれる」58%など、周りと同調する『シンクロ』ではなく、キャラを生かし合う『シナジー(相乗効果)』が意識されている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010119-1215.pdf

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