2010年12月16日-4
金融円滑化法、2012年3月末まで1年間延長

 昨年12月に中小企業金融円滑化法が施行されてから約1年が経過したが、中小企業者等の業況や資金繰りは、改善しつつあるものの、依然厳しいものがある。こうしたなか、金融庁は14日、同法の期限を2012年3月末まで1年間延長するとともに、同法に基づく開示・報告に係る業務負担の軽減や金融機関のコンサルティング機能がこれまで以上に発揮されるよう促すため、検査・監督において対応を行う旨を決定・公表した。

 金融円滑化法の期限延長の背景には、先行きの不透明感から、今後、一定の貸付条件の変更等への需要があるとの考えがある。一方で、貸付条件の変更等に際しては、金融規律も考慮し、実効性ある経営再建計画を策定・実行することが重要なため、同法を機に、金融機関がコンサルティング機能を十分に発揮することで、中小企業者の経営改善が着実に図られ、中小企業者の返済能力の改善等につなげようとの方針だ。

 こうしたことから、来年3月末に期限を迎える金融円滑化法を1年延長するとともに、その運用にあたっては、(1)これまでの実施状況を踏まえた、金融機関の開示・報告資料の大幅な簡素化(開示・報告に係る事務負担の軽減)や、(2)金融機関による経営再建計画の策定支援等のコンサルティング機能(経営相談・指導等、事業再生等)の発揮の促進といった点について改善を加える。

 金融機関によるコンサルティング機能の発揮の促進については、貸付条件の変更等が行われた後の継続的なモニタリング、経営相談・指導等や経営再建計画の策定支援を一層定着させるため、金融機関が果たすべき役割を具体化するよう、監督指針を改定する。また、企業再生支援機構、中小企業再生支援協議会等の活用、DES・DDSの活用等を通じた本格的な事業再生の取組みを促すよう、監督指針を改定する。

ウィンドウを閉じる