2010年12月16日-1
厳しい50歳以上の雇用、若年層も非正規化で失業増

 全国労働組合総連合は、雇用情勢が厳しさを増すなか、昨年に引き続き「ハローワーク前アンケート2010」に取り組んでいる。2010年11月12日までに17都道府県64ハローワークの3517名分が集約され、このほど「中間報告」として発表した。有効回答は3517名で、男性が56.2%(昨年60.0%)に対して、女性が43.6%(同39.8%)と女性が4割を超えている。

 年代では、「50代」の24.8%(昨年26.4%)が最多、続いて「30代」20.7%(同20.7%)、「40代」20.1%(同20.1%)、「60代」20.0%(同17.5%)、「20代」12.4%(同13.2%)となっている。50歳以上でみると46.0%(同44.9%)となっており、中高年者の失業・雇用問題の深刻さが表れている。「自由記載欄」でも「年齢制限ではねられる」が多数寄せられ、中高年者の雇用対策の強化、働き口の確保が求められる。

 最後の仕事でもっとも多かったのが「製造業」の21.3%、続いて「サービス業」18.1%、「卸売・小売業」9.1%、「医療・福祉業」8.8%、「建設業」8.8%の順。製造業がトップを占めたことは、製造業における非正規切りの一端を示すもの。同時に、サービス業と卸売・小売業の割合が高いことなど、深刻な不況の影響をみてとることができる。「その他」(11.2%)では、「清掃」、「警備」、「自治体の臨時職員」などが目立った。

 雇用形態では、「正職員」が53.2%と過半数を占め、続いて「パート」18.7%、「期間・契約社員」11.3%、「アルバイト」6.9%、「派遣」9.1%などとなっている。「正職員」が過半数を占めたことにみられるように、雇用破壊が全体に広がっていることが分かる。ただし、全体の就業構造からみれば、非正規労働者の割合は高くなっており、非正規労働者が「雇用の調整弁」として使い捨てられていることがうかがえる。

 同中間報告の全文は↓
 http://www.zenroren.gr.jp/jp/housei/data/2010/101206_02.pdf

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