2010年12月13日-2
9月期中間決算、GC注記が付いた上場企業は55社

 東京商工リサーチがこのほど発表した「2010年9月期中間決算 上場企業『継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン注記、以下GC注記)』調査」結果によると、9月期中間決算でGC注記が付いた上場企業は55社だった。前年度末(2010年3月)のGC注記企業は59社で、このうち4社は注記が解消したものの、武富士(9月、会社更生)、大和システム(10月、民事再生)、ラ・パルレ(10月、民事再生)の3社は倒産した。

 GC注記の理由(重複含む)は、49社(構成比89.0%)が「重要・継続的な売上減、損失計上、営業キャッシュ・フローのマイナス」など、本業面での業績悪化を挙げたほか、「資金繰り悪化や資金調達難(可能性ありも含む)」10社(同18.1%)、「金融機関や取引先などに債務の返済条件変更を要請したり、今後要請の可能性がある」もしくは「支払遅延が発生」している企業が8社(同14.5%)、「債務超過」に転落している企業は7社だった。

 また、9月中間決算で「継続企業に関する重要事象」として表記されたのは前年度末の72社から58社の減少した。前年度末に比べると23社で重要事象が解消されたが、新たに重要事象が表記されたのが12社、倒産が1社、親会社の吸収・合併による上場廃止が1社。前年度末までGC注記が付いていたが、当期決算で注記が外れ「重要事象」となった企業が1社だった。

 GC注記企業55社を業種別にみると、「製造業」が21社で最多、次いで「卸売業」9社、「情報・通信業」7社、「サービス業」6社、「不動産業」5社などが続いた。なお、2010年に倒産した上場企業(9社、11月末現在)のうち、直近四半期決算でGC注記が付いていた企業はエフオーアイを除く8社にのぼった。ただし、GC注記がなかったエフオーアイは上場審査時の粉飾決算が発覚し、上場後わずか6ヵ月で倒産(過去最短)に至った。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2010/1207127_1612.html

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