2010年12月09日-1
残業をする理由の1位は「仕事量が多いから」

 労働政策研究・研修機構が実施した「仕事特性・個人特性と労働時間に関する調査」結果(有効回答数8761人)によると、残業する理由(3つまで回答)は、「仕事量が多いから」が管理職(63.9%)、非管理職(62.5%)ともに1位となった。2位は「予定外の仕事が突発的に飛び込んでくる」(管理職36.0%、非管理職31.2%)。3位は、管理職は「自分の仕事をきちんと仕上げたい」(30.9%)、非管理職は「人手不足」(30.2%)となった。

 自分の仕事の性質について当てはまるかどうか別に、1ヵ月間の労働時間の長さを比べてところ、「当てはまらない」よりも「当てはまる」が10時間以上長い項目は、「取引先や顧客の対応が多い」(非管理職、管理職)、「会議や打ち合わせが多い」(非管理職、管理職)、「会社以外の場所でも仕事ができる」(非管理職)だったことから、仕事の性質によって労働時間の長さは異なることがうかがえる。

 また、上司の性質について当てはまるかどうか別に、1ヵ月間の労働時間の長さを比べてところ、「当てはまらない」よりも「当てはまる」が10時間以上長い項目は、管理職も非管理職も「必要以上に資料の作成を指示する」、「必要以上に会議を行う」、「仕事の指示に計画性がない」、「指示する仕事の内容が明確でない」、「終業時刻直前に仕事の指示をする」など、設定9項目全てだった。上司の性質は労働時間に影響することがわかる。

 仕事に対する自分の意識について当てはまるかどうか別に、1ヵ月間の労働時間の長さを比べてところ、「当てはまらない」よりも「当てはまる」が10時間以上長い項目は、「出世志向が強い」(非管理職)、「仕事と頼まれると断れない」(非管理職、管理職)、「専門職志向が高い」(非管理職)、「上司が退社するまで帰宅しない」(非管理職、管理職)であり、仕事に対する意識の相違は労働時間の長さに影響する。

 今回の調査結果の事実発見から同研修機構では、長時間労働対策として重要なこととして、(1)業務目標・役割の明確化、(2)会議や打ち合わせの簡素化と裁量度の強化、(3)管理職の本来業務であるマネジメント業務の重視、(4)まじめな労働者に対するケアと心身の健康管理、(5)有効な長時間労働対策の実施、の5点を指摘している。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.jil.go.jp/press/documents/20101207.pdf

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