2010年11月29日-4
ネットバンキング、認知度高いが利用は1割

 電通と電通国際情報サービスは共同で、「インターネットバンキング(以下IB)活性化に向けた生活者意識調査」を実施した。銀行によるIBサービスが開始されてから15年余りが経過、現在ではほとんどの銀行がサービスを提供しており、銀行と個人顧客との重要なチャネルとなっているなか、IB活性化に向けた課題と解決策の考察を目的に、IBを中心とした個人顧客向けサービスについて生活者の意識や行動を探った。

 調査結果(有効回答数1963人)によると、IBの口座開設率は全体で72%にのぼり、現在IBの口座を開設していない人でも約7割がIBの存在を認知している。IBは銀行との取引において、もはや一般大衆化したチャネルになっていることがうかがえるが、地方銀行をメインバンクにしている層では、メインバンクでのIB口座開設率は4割程度にとどまり、24%がネット専業銀行等メインバンク以外の銀行でIB口座を開設している。

 チャネル別の顧客満足度を比較してみると、IBは52%が「非常に満足している」と回答、店舗(同32%)やATM(同44%)の満足度を上回った。しかし、利用頻度をみると、「全く利用しない」という割合は、店舗が13%、ATMがわずか1%であるのに対し、IBは44%と、非常に高い結果となった。IBの認知や口座数は広がっていても、利用者は店舗やATMより依然少なく、IBが十分に活用されてない現状が浮き彫りになった。

 個人の金融商品取引でも、IB経由での取引がわずか9%にとどまった。金融商品取引をIBで行わない理由として最多だったのが、「店舗での対面取引のほうが安心」というもの。「対面取引のほうが安心」と答えた割合は、商品にかかわらず一定(定期預金44%、外貨預金54%、国債46%、投資信託45%)で、IBでの金融商品取引の活性化のためには、店舗窓口からの誘引はもちろん、IBの「安心感を醸成すること」が重要のようだ。

 同調査結果は↓
 http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010114-1125.pdf

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