2010年11月18日-3
大企業の賃上げ5832円・1.9%~経団連調査

 日本経団連が会員企業等を対象に実施した「2010年1~6月実施分 昇給、ベースアップ実施状況調査」結果(有効回答数487社)によると、賃上げ額は5832円(賃上げ率は1.90%)で、2000年以降ほぼ横ばいで推移している。昇給率(ベースアップ以外の賃金増額率)の分布は、1999年から12年連続して「1.5%~1.9%」が最多だった。 厳しい経営状況の下、ほとんどの企業(97.9%)が昇給を実施していることが分かった。

 賃上げの状況をみると、昇給とベースアップを合計した賃上げ額は5832円、賃上げ率は1.90%と、わずかながら前年を上回ったものの、ほぼ横ばいとなった。賃上げ額の内訳は、昇給が5726円(前年比プラス91円)、ベースアップが106円(同プラス5円)だった。賃上げ率の推移をみると、2000年以降、若干の上下はあるものの、2.0%前後で推移している。

 また、上昇率の分布状況では、昇給とベースアップに区分して上昇率の分布状況をみると、昇給率は「1.5~1.9%」(35.1%)がもっとも多く、以下、「2.0~2.4%」(28.9%)、「1.0~1.4%」(16.5%)の順となっている。なお、「1.5~1.9%」が最多となっているのは、1999年から12年連続である。 一方、ベースアップ率は「0.0%」が93.3%とほとんどを占めている。

 昇給とベースアップの実施状況は、「昇給・ベースアップともに実施」が6.7%(前年9.5%)、「昇給実施、べアなし」が91.2%(同86.3%)で、両方合わせると97.9%(同95.8%)にのぼっている。厳しい経営状況の下で、ほとんどの企業が昇給を実施したという結果となった。一方、昇給、ベースアップともに実施しなかった企業の割合は、前年(3.7%)より減少して2.1%にとどまり、賃金引下げを行った企業はなかった。

 同調査結果は↓
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/106.pdf

ウィンドウを閉じる