2010年11月15日-4
10月企業倒産の負債総額、今年3番目の高水準

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、10月の倒産件数は960件にとどまり、前月比は1.8%の増加となったものの、前年同月比は10.3%の減少となり、14ヵ月連続で前年同月を下回った。9月の前年同月比減少率が0.3%とほぼ横ばいとなり、二ケタの減少率が続いた減少基調は終息に向かいつつあったが、10月は3ヵ月ぶりに二ケタを記録し、再び減少率が拡大した。

 一方、負債総額は5019億5700万円となり、前月比では63.4%の減少となったものの、前年同月比は99.7%の大幅増加となり、2ヵ月連続で前年同月を上回り、前月に次いで今年3番目の高水準となった。これは、日本振興銀行関連の中小企業保証機構が負債1269億6200万円で倒産するなど、負債50億円以上の大型倒産が10件発生し、5ヵ月ぶりに二ケタとなったことなどによるもの。

 業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。なかでも、建設業(245件、前年同月比▲16.9%)は3ヵ月ぶりに前年同月を下回り、50件の大幅減少となった。また、製造業(134件、同▲13.0%)は10ヵ月連続で前年同月を下回り、8月に並び今年最低を記録。一方、不動産業(32件、同14.3%増)は10ヵ月ぶりに前年同月を上回った。不動産業では、賃貸収入の減少を受け、貸事務所(8件、同50.0%増)の増加が目立つ。

 負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は520件発生し、前月を8.8%、前年同月を5.9%上回った。構成比は54.2%で、前年同月から8.3ポイントの大幅増加、4ヵ月連続の50%台の高水準となった。今年7月の51.7%を上回り、2005年4月の集計基準変更後で最高となるなど、零細企業を取り巻く環境は依然として厳しいまま。資本金別にみると、個人経営と資本金1000万円未満の倒産が527件発生し、構成比は54.9%を占めた。

 中小企業は955件で全体の99.5%、小規模企業も808件で同84.2%を占めるなど、小規模倒産は高水準で推移している。

 同倒産状況の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/tosan/syukei/1010.html

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