2010年11月15日-1
2012年度の採用見込みに“回復”の兆し~ディスコ

 就職情報会社・ディスコが10月中旬に実施した「採用活動に関する企業調査」結果(有効回答数1184社)によると、2012年3月卒業予定者の採用見込みは、「増減なし」との回答が43.1%を占める一方、「増加」が13.5%と、「減少」の6.5%の2倍近くにのぼっていた。さらに、「未定」(31.3%)とする企業割合が前年に比べ少なくなっていることからも、わずかながら“採用回復”の兆しが表れ始めたとみられている。

 2011年3月卒業予定者の採用状況については、10月現在、採用活動を「終了した」と回答した企業は、全体の72.2%と、前年同期を8.2ポイント下回った。今年7月の同調査実施時も前年同期比で10ポイント近く下がっており、採用活動の終了時期が遅れ、長期化する企業が増えているといえそうだ。従業員規模別にみると、特に「300~999人」の企業で11.8ポイント落ち込んでおり、中堅企業を中心とした動きであることが分かる。

 学生に交通費を支給するタイミングについて、近隣からの受験者に対しては、「内定後(懇親会など)」が31.1%、次いで「最終選考から」18.9%、「一次選考から」12.8%。遠隔地からの受験者に対しては、「最終選考から」が25.6%、次いで「内定後から」24.0%、「一次選考から」14.7%となった。セミナーや選考段階など、内定前から交通費を支給する企業をみると、遠隔地からの受験者への場合、57.1%と約6割が支給していた。

 このように、学生の活動量が増え、交通費負担が重荷になるなか、遠隔地からの受験者に対する企業の一定の配慮がうかがえる。なお、企業が学生に求めるもの(複数回答)については、1位に選ばれたのは文系・理系ともに「コミュニケーション能力」、2位は文系が「バイタリティ」(前年5位)、理系が「基礎学力」(同3位)で、ともに2004年調査から6年続いた「熱意」が一つ順位を下げ3位という結果になった。

 同企業調査結果の概要は↓
 http://web.disc.co.jp/topics/11saiyouOct_20101108.pdf

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