2010年11月11日-4
環太平洋戦略経済連携協定(TPP)とは?

 TPPとは、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ブルネイの4ヵ国が2006年に発行した経済連携協定である。2015年までの、原則100%関税撤廃を目指し、アメリカやオーストラリアも参加を表明している。政府は9日、TPPへの参加を「関係国との協議を開始する」とした「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定したが、このTPPの概要を日本貿易振興機構(JETRO)が解説している。

 本年10月現在、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの9ヵ国が交渉に参加。本年3月から政府間交渉が開始され、物品貿易に加え投資、サービス、政府調達等幅広い分野が対象。交渉参加国の平均関税率はシンガポール(0%、ビール・薬用酒のみに課税)から豪州(3.5%)、米国(同)、ペルー(5.5%)、マレーシア(8.4%)、ベトナム(10.9%)まで幅がある。

 TPP交渉参加国間では、すでに二国間、多国間FTA(自由貿易協定)が発効・交渉中の国も多い。交渉参加9ヵ国の間に2国間の組合わせが36件あるうち、二国間等のFTA交渉が行われていない国の組合わせは10件。また、APECの加盟国(21ヵ国・地域)全体でも、二国間、多国間FTAが数多く発効。APEC加盟国全体の域内貿易額(3兆7594億ドル、2009年)に占めるFTA発効済国間の貿易比率は51.3%を占める。

 現在、アジア大洋州地域では、TPPに加えて、ASEAN+3(ASEAN10ヵ国と日中韓)、ASEAN+6(ASEAN+3に豪州、NZ、インド)などの広域FTA構想がある。TPP交渉参加9ヵ国は、世界人口(67.3億人、2009年)の7.4%、世界経済(57.8兆ドル、2009年)の27.7%、日本の往復貿易額(1兆1323億ドル、2009年)の25.2%、日本の対外直接投資残高(7404億ドル、2009年末)の40.6%を占める。

 TPPの概要は↓
 http://www.jetro.go.jp/theme/wto-fta/basic/tpp/ttp.pdf

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