2010年11月10日-2
民間の年末賞与は前年比+1.5%の38.6万円と予測

 厚生労働省が発表した「2010年夏季賞与の結果」によると、夏季賞与の一人当たり支給額は36万7178円、前年比+1.1%(事業所規模5人以上)となったが、これを踏まえ、第一生命経済研究所は、冬季賞与の民間企業一人当たり支給額を前年比+1.5%(支給額38.6万円)、支給従業員数は同+1.8%と予想した。結果として、民間企業の2010年冬季賞与支給総額は、同+3.3%の14.6兆円となるとしている。

 その理由として同研究所は、(1)経常利益の増加が続いていること、(2)多くの企業はボーナス支給額を通年単位で決定しており、夏と冬は似た結果になりやすいこと、(3)ベースとなる所定内給与の持ち直し、などを挙げており、冬季賞与も夏季賞与同様に小幅な増加が続く可能性が高いとしている。この結果、冬季の支給額は38万5962円、支給対象者数3782万人と予想した。

 所定内給与動向をみると、9月は前年比+0.1%とプラスに転化。先行きも相対的に賃金の低い非正規雇用者の比率上昇が続いておりペースは緩やかなものにとどまるが、回復傾向は維持されると予想。所定内給与に乗じる支給月数(前年差)は過去の推移をみると、一半期前の計上収支と相関が高く、9月の日銀短観によれば2010年度上期の計上利益計画は、前年比+51.1%が見込まれ、冬季賞与の月数は前年と同水準の1.09ヵ月を予想。

 また、他の調査をみても、日本経団連の「2010年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」は前年比+3.76%となっているほか、労務行政研究所の「東証第1部上場企業の2010年年末賞与・一時金の妥結水準調査」においても、同+0.4%が見込まれている。両調査は、「毎月勤労統計」とは調査対象が異なるものの、過去の推移をみると概ね似通った動きをしており、同社予想の結論とも一致する内容といえるとしている。

 同レポートの全文は↓
 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban_index.html

ウィンドウを閉じる