2010年11月01日-4
日本公庫、依然として厳しい保証先中小企業の景況

 日本政策金融公庫中小企業事業本部が9月中旬に実施した「保証先中小企業金融動向調査」結果(有効回答数3670社)によると、同公庫の保証先中小企業の景況感は、持直しの動きが緩やかになっており、依然として厳しい状況にある。7~9月期実績の生産・売上DI(前期比、「増加」-「減少」、季節調整値)は、前期比2.8ポイント改善の▲28.5となり、3期連続でマイナス幅が縮小した。

 従業員規模別では、「0~20人」が前期比3.7ポイント改善の▲31.0、「21人以上」が同5.5ポイント改善の▲7.1となった。また、採算DI(前期比、「好転」-「悪化」、季節調整値)は同1.0ポイント改善の▲36.5、資金繰りDI(同)は同2.1ポイント改善の▲33.3となり、ともに3期連続でマイナス幅が縮小した。借入難易度DI(前期比、「容易」-「困難」)は、ほぼ横ばいの▲21.2で推移した。

 一方、7~9月期実績の保証利用企業の割合は、前期から1.6ポイント減の69.7%と6期連続で減少したものの、引き続き高水準。保証利用割合別にみると、「全額利用」の割合が同1.7ポイント減の50.9%。借入企業の割合は、同0.9ポイント増の37.1%と上昇に転じた。1社あたりの平均借入金額は2890万円で上昇に転じた。借入金額別にみると、「1千万円超~5千万円」の金額層の割合が49.9%でやや減少した。

 また、資金使途(複数回答)をみると、「売上減少・赤字補てん資金」が前期比3.2ポイント減の47.9%と3期連続で減少したほか、「既往借入の借換資金」が同0.3ポイント増の40.4%、「季節運転資金」が同0.2ポイント減の19.1%、「売上増加、運転資金」が同1.5ポイント増の17.2%など。なお、資金使途の構成は、「運転資金」が90.2%、「運転・設備資金」と「設備資金」がともに4.9%となっている。

 同動向調査結果の詳細は↓
 http://www.c.jfc.go.jp/jpn/result/hosyouyouyaku166.pdf

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