2010年11月01日-3
中小企業を中心に1万社が中国へ進出

 国内市場の縮小や円高が後押しする形で、国内企業が中国など新興国進出を加速させている。製造業者の生産シフトの高まりや、中国マーケットを取り込もうと、最近では小売・飲食店といった業態で進出する企業も目に付くようになった。帝国データバンクがこのほど発表した「中国進出企業の動向調査」結果によると、中国へ進出している企業は1万778社、小売業では2004年以降の進出が急増していることが判明した。

 業種別にみると、「製造業」が42.2%を占める4546社で最多、次いで「卸売業」が35.0%の3771社で、この2業種で8割近くを占め、「サービス業」が12.3%の1326社で続いた。また、資本金別では、「1000万円以上500万円未満」が51.4%の5538社、従業員規模別でも、「10人以上50人未満」が32.9%の3547社、次いで「10人未満」が24.2%の2608社となっており、中小クラスの企業が多く進出していることが分かる。

 業績動向について、2006年度から2009年度までの売上比較が可能な7456社についてみると、2007年度は前期比で増収が4514社と60.5%を占めていたが、2008年度は減収が4385社と増収(2745社)を上回り、2009年度は増収が20.4%の1520社、前期の2745社から44.6%減少した。背景には、リーマン・ショックによる影響、また中小企業の進出の割合が高いため、より業績への影響が顕著になって現れたものとみられている。

 小売業(飲食を含む)では、266社のうち進出年が判明している115社中、小売の業態で進出した企業は60社で、このうち、2004年以降のこの6年間で進出した企業が71.7%を占め、近年進出が顕著であることがわかった。また、「小売業」で業績比較が可能な168社をみると、やはり年々増収企業の数が減少しているが、2009年度の増収企業の割合は36.9%と、全業種の増収企業の割合(20.4%)を上回っている。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p101005.pdf

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