2010年10月27日-2
民間企業の09年度有形固定資産投資額13.5%ダウン

 内閣府経済社会総合研究所はこのほど、「2009年度の民間企業投資・除却調査」をまとめた。同調査は、民間企業における新規資産・中古資産の取得としての投資支出及び除却に関する状況等を資産別に調査し、国民経済計算体系における資本ストック統計整備と生産勘定整備の基礎資料とすることが目的。全国の民間企業のうち、資本金3000万円以上の企業約13万5000社を調査、有効回答は1万504社から得た。

 調査結果によると、2008年度における資本金3000万円以上の民間企業の有形固定資産の取得額(投資額計)は37兆5667億円と、前年度比▲13.5%だった。その内訳は、「新設取得額」30兆9626億円(前年度比▲14.3%)、「中古品取得額及び土地の取得費」4兆4235億円(同▲12.1%)、「大規模修繕・改修費用及び土地の整地費・造成費」2兆1806億円(同▲3.2%)と、投資が低迷していることがうかがえる。

 これを資産項目でみると、「機械及び装置」が金額全体の28.6%(前年度28.4%)を占め、「建物」が14.4%(同12.6%)、「工具・器具及び備品」が11.1%(同13.8%)と、身近な資産の節約姿勢がみえる。産業別では、「製造業」が41.9%(同37.5%)、「卸売・小売業」が11.6%(同13.0%)、「運輸業」が9.4%(同9.4%)、「サービス業(他に分類されないもの)」が9.0%(同14.9%)と、「サービス業」の落込みが激しい。

 主な産業について、投資額計に対する資産項目別構成比をみると、「農林水産業」からなる第1次産業は「機械及び装置」(構成比31.9%)や「建物」(同21.9%)に、「製造業」などからなる第2次産業は「機械及び装置」(同42.7%)に、「その他の産業」からなる第3次産業は「機械及び装置」(同18.2%)や「建物」(同14.7%)といった資産項目に、重点的な投資活動を行っている状況がみえる。

 同調査結果の概要は↓
 http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/jokyaku/h21/21kekkagaiyou.pdf

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