2010年10月27日-1
上場企業の課長はプレイヤー業務がおよそ99%

 学校法人産業能率大学は、従業員規模100人以上の上場企業に勤める「課長」を対象に、昇任前の経験や、悩み、上司の支援など現在の状況、今後のキャリアなどを尋ねる「上場企業の課長を取り巻く状況に関する調査」を実施した。調査結果(有効回答数428人)によると、プレイヤーとしての仕事の割合が「0%」という回答はわずか1.4%にとどまり、ほとんどの課長がプレイヤーとしての活動を兼務していることが分かった。

 仕事上の悩みを相談できる人がいるかどうかを尋ねたところ、「いる」が49.8%、「いない」が50.2%とほぼ半数ずつ。2人に1人は悩みを抱えても相談する相手がおらず、自分で抱え込まざるを得ない状況にあるようだ。メンタルヘルス面からも懸念される結果といえそうだ。また、「いる」人に対して、どのような相談者かを尋ねたところ、「会社の上司」(60.6%)、「会社の同僚」(59.6%)が6割前後に達していた。

 自分自身のメンタルヘルスに不安を感じたことがあるかを尋ねたところ、「ある」とした人が43.7%と4割強に達した。半数を下回っているとはいえ、昨今の課長を取り巻く状況の厳しさを反映したものといえそうだ。「ある」と答えた人にその原因を尋ねた結果では、「上司との人間関係」、「成果創出へのプレッシャー」、「仕事の内容」が44%前後で上位を占めている。「部下との人間関係」、「仕事の量」も目立った。

  職場の状況に関し、3年前と比較しての変化がでは、「業務量が増加している」が54.2%で最多、次いで「成果に対するプレッシャーが強まっている」(41.1%)も4割を超えた。今後のキャリアについて、現在の勤務先で最終的にどのような立場・役職になりたいと思うかについては、「いまより出世したい」が57.2%と半数を超え、ハードな仕事と認識しているものの、課長としての仕事にやりがいも感じている様子がうかがえる。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.sanno.ac.jp/research/pdf/kachou2010.pdf

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