2010年10月25日-3
09年度サービス残業の是正は約4割減の約116億円

 厚生労働省が公表した監督指導による賃金不払残業の是正結果によると、今年3月までの1年間(2009年度)にサービス残業の支払いについて是正された企業は前年度に比べ21.4%減の1221社、その是正金額は同40.8%と大幅減の約116億円となった。これは、全国の労働基準監督署が割増賃金の支払いについて労働基準法違反として是正を指導した事案のうち、割増賃金の支払額が1企業あたり100万円以上となった事案を集計したもの。

 それによると、2009年度1年間における是正企業数は1221社、残業代が未払いだった労働者数は前年度に比べ38.1%と大幅減の11万1889人で、支払われた割増賃金の合計額は同約80億円少ない116億298万円と大幅に減少した。1企業平均では950万円、1労働者平均では10万円。1企業あたり1000万円以上の割増賃金が支払われたのは全体の13.3%の162社で、その支払総額は全体の73.4%を占める85億1174万円だった。

 業種別の状況をみると、企業数は「製造業」が329社、「商業」が287社、対象労働者数は「製造業」が3万8693人、「金融・広告業」が2万210人、是正支払額は「製造業」が23億2094万円、「商業」が22億1270万円で続いた。企業数、対象労働者数、是正支払額のすべてで製造業が最多だった。1企業での最高支払額は、12億4206万円(飲食店)、次いで11億561万円(銀行・信託業)、5億3913万円(病院)の順だった。

 なお、同集計を開始した2001年4月から2010年3月までの9年間における状況は、是正企業数が1万1342社、対象労働者数が132万1640人、支払われた割増賃金の合計額が1663億3392万円。1企業平均では1467万円、1労働者平均では13万円。そのうち、1企業あたり1000万円以上の割増賃金が支払われた企業数は全体の17.9%の2029社で、支払われた割増賃金の合計額は全体の81.4%を占める1354億2949万円だった。

 同是正結果の詳細は↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000ufxb.html

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