2010年10月21日-4
景気「足踏み状態」に下方修正、10月の月例経済報告

 内閣府は19日、10月の月例経済報告を公表した。アジア経済の減速や急激な円高を背景にした輸出・生産の弱含みを受け、景気の現状を「景気は、このところ足踏み状態となっている。また、失業率が高水準にあるなど、厳しい状況にある」と判断。2009年2月以来、1年8ヵ月ぶりに下方修正した。先月は、景気の総括判断を「引き続き持ち直してきている」としていた。

 これに対し、先行きについては、エコカー補助金が9月上旬に終了したことに伴う自動車メーカーの生産調整などから「当面は弱めの動きも見込まれるものの、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、持ち直していくことが期待される」と指摘。9月の月例報告で盛り込んだ為替レート・株価に関しては「景気がさらに下押しされるリスクが存在する」と改めて懸念を示した。

 輸出は「増勢が鈍化している」から「弱含んでいる」に下方修正。アジア向け輸出に弱い動きが出ているほか、IT関連で在庫調整の動きがみられるという。生産も「緩やかに持ち直している」から「弱含んでいる」に判断を引き下げた。一方、個人消費は「持ち直している」と8ヵ月連続で判断を変えなかった。企業の業況判断は「改善している」で据え置いたものの、先行きに関しては「慎重な見方が広がっている」と付け加えた。

 政策態度については、「政府は、デフレからの脱却を喫緊の課題と位置づけ、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な政策努力を行う」とした上で、「日本銀行に対しては、引き続き、政府と緊密な情報交換・連携を保ちつつ、適切かつ機動的な金融政策の運営によって経済を下支えするよう期待する」とし、5日の包括的な金融緩和政策、8日閣議決定の補正予算編成を含む「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」の推進を強調した。

 同報告の全文は↓
 http://www5.cao.go.jp/keizai3/2010/1019getsurei/main.pdf

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