2010年10月21日-3
残業の考え方、「ある程度はやむを得ない」が多数

 みずほ総研が、みずほグループ取引先企業を対象に実施した「残業に関するアンケート調査」結果(有効回答数:従業員475人、経営者430人)によると、残業に対する考え方は、経営者・従業員ともに「ある程度の残業はやむを得ない」とする回答が最多となった。ただし、69.5%の経営者が「収益の維持・向上等のためであれば、ある程度の残業はやむを得ない」としているのに対し、従業員は48.4%にとどまっている。

 また、従業員の40.8%が「残業は減らすべき」と回答する一方で、経営者で残業を減らすべきと回答した割合は17.7%にとどまるなど、経営者と従業員の間に若干の温度差が見受けられた。こうしたなか、残業削減につながる対策を講じている企業は64%にのぼり、なかでも、「会議の削減や業務フローの見直し」(57.2%)、「残業の事前申請制」(50.9%)、「ノー残業日の設定」(48.0%)などの策を講じる企業が多い。

 従業員の毎月の平均残業時間は、「10~30時間」が44.7%で最多、次いで「10時間未満」が24.3%。対して、理想とする残業時間では、「10時間未満」が42.5%で最多となっており、従業員の理想と実態の間にはまだ乖離が大きい。最近1年間の残業時間の増減は、「減った」が42.3%と「増えた」(12.2%)を上回った。この要因として「業務の効率化による業務量の減少」(21.5%)、「会社の残業削減対策の効果」(18.9%)が挙げられた。

 従業員が考える残業のマイナスの影響は、「疲労の蓄積」が80.8%で最多、次いで「プライベートな時間の減少」(72.0%)、「ストレスの蓄積」(63.2%)、「睡眠時間の減少」(38.9%)が続いた。20歳代までは「プライベートな時間の減少」が最多だが、年齢層が上昇するに従い「疲労の蓄積」が増加。残業増により、若年層はプライベートな時間や睡眠時間が減少すること、中高年は疲労感が高まることにマイナスを感じている姿がうかがえる。

 従業員が考える残業が減少しない要因については、「業務の効率化が進んでいないため」(50.7%)や「業務量が多すぎるため」(38.1%)、「管理職のマネジメント不足のため」(26.7%)、「帰りづらい雰囲気など会社(部署)の風土があるため」(24.4%)などが挙げられた。様々な残業削減策が一定の効果を上げている半面、業務の効率化や管理職のマネジメント面での改善がまだまだ必要、と考える従業員は多いようだ。

 同調査結果の詳細は↓
 http://www.mizuho-ri.co.jp/membership/enquete/pdf/enquete201010.pdf

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